兄がボケました~若年性認知症の家族との暮らし【第263回 学校では教えてくれないこと】
ライターのツガエマナミコさんが一緒に暮らす認知症の兄は、特別養護老人ホームの入所が決まりました。入所の日は未定ですが、健康診断の準備など、まだまだしなければいけないことがいろいろとあります。とはいえ、所かまわず排泄してしまう兄のお世話に追われていた日々を思うと、少し落ち着いた暮らしになったマナミコさん。今回は、最近の心境を綴ります。

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AIやYouTubeに触れ思うこと
先日、都内のカフェに予約の電話をしたら「ご用件をお伺いいたします、AIのハルカです」と言われてドギマギしたツガエでございます。
単なる録音音声の対応ではなく、人の声にかなり近く、AIを真似た人間にからかわれているのではないかと思ったほど。でも、人ならば察してくれる少々あいまいな答えをすると「すみません。もう一度お願いします」と理解されませんでした。AIがわかるように簡潔に伝えなければ、と頭を使った結果、途中で面倒になって半ば強引に電話を切ってしまいました。慣れないAIとの会話で改めてやっぱり「人」がいいなと感じた次第でございます。時代に置いて行かれるとはこういうことかと溜息が出ました。ツガエはもうそんなお年頃。長く生きるにつれ、この類の経験をたくさんすることになるのでしょう。
さて、特別養護老人ホーム入居に必要不可欠な兄の「健康診断」です