毎日無理なく!腰痛対策トレーニング|寝起きに、お風呂で、自宅で簡単に【まとめ】
腰痛は今や国民病といえるほど、腰にまったく痛みを覚えた経験のない人は少ないだろう。「痛みがあるから運動するのはやめよう」という考えの人が多いが、実は運動した方が痛みは格段に良くなるんだとか。毎日、無理なく運動できる方法をご紹介しよう。
誰でも続けられる“ちょこっと運動”
痛みを軽減するには、腰に負担のかからない“正しい姿勢”も大切だが、腰を守るための筋肉をつけることが不可欠。とはいえ、辛く苦しいトレーニングを続けるのは難しい。誰でも簡単に毎日“ちょこっと”で出来る運動を、平和病院副院長で、柱外科・横浜脊柱脊髄センター長の田村睦弘先生に教えてもらった。
「腹筋運動をすることで日常的に腹圧の存在を意識することが出来ます。立つ・座るなどの動作で腹筋を上手に使えるようになり、正しい姿勢を保ちやすくなりますし、筋肉がついてきたかどうかなど、自分の体を知るきっかけにもなるでしょう」(田村さん)
ハードな筋トレは必要ない。ストレッチなど、軽度な体操からはじめるだけでもいい。腹筋も、腰に負担がかからないように、力を入れて筋肉を意識するだけでも違いが出る。腰に痛みを感じない程度に、楽しみながら行おう。
早速、田村さんが考案した「毎日“ちょこっと”運動」をやってみよう!
●腹圧を高める目覚めの腹式呼吸
腹式呼吸で腰の緊張をゆるめ、腹圧を高められる呼吸法。朝起きてからすぐにできるので、毎日の習慣として取り入れやすい。
●筋肉を伸ばす ひざ引き寄せ+ひざ裏伸ばし体操
【1】
両ひざを立てた姿勢から、片脚のひざ裏を両手で抱える。ひざを胸にゆっくり引き寄せて20秒キープ。
【2】
ひざ裏が痛気持ちいいところまで伸ばして20秒。お尻や太もも裏につっぱりを感じながら1~2回伸
布団から起き上がる前に、寝ている間にこわばってしまった筋肉をゆるめる体操。両手で太ももを支えて膝を胸のあたりまで引き上げる。そのまま20秒キープ。片脚ずつ丁寧に動かしていくと、脚まわりの血行がよくなる。
詳しい内容・やり方は以下の記事をチェック!
【腰痛改善】今日からスタート!「毎日“ちょこっと”運動」をイラストで解説
目覚めに行う「ダーウィン体操」で腰痛を防止
朝起きて、いきなり布団から出ていないだろうか?
実は、直前まで眠っていた体をいきなり大きく動かすと、自律神経が乱れ、筋肉が固くなる。すると、全身に血液を送る動きが低下し、腰痛を引き起こす原因にもなりかねないのだ。
自律神経の乱れを整えるため、新井病院院長で内科医の新井幸吉さんが考案した『ダーウィン体操』は、「生物」が「魚類」から「爬虫類」、「鳥類」、「哺乳類」へ進化していったように、少しずつ重力に身体を慣らすイメージで体操を行うというもの。ゆっくりと重力に逆らって起き上がることで、血液とリンパが全身に行き渡り、腰痛はもちろん、様々な体の不調に効果があると言う。
「毎朝この3分の体操を習慣にすると、だるさも驚くほどなくなります。身体への負荷の少ない体操ですから、高齢者の方にもおすすめです」(新井さん)
●STEP1「卵から生まれた魚」
起きたら布団の上で、合わせた両手とつま先を気持ちよく伸ばす。ゆっくり呼吸をしながら10秒。
●STEP2「ゆらゆら泳ぐ魚」
ひじとひざをゆるめ、お尻を左右にすべらせる。へそは天井を向いたまま、10往復。
●STEP3「上向きのカエル」
ひざを立て、足の裏はしっかり下につけ、両手は腰の横へ。手のひらと肩で敷布団を押しながら腰を持ち上げる。呼吸しながら10秒キープ。
●STEP4「トカゲの誕生」
起き上がりながらうつ伏せになり、ひざを曲げて上半身と腕を伸ばしたまま、ゆっくり呼吸を3回。
●STEP5「羽ばたく鳥」
4のポーズからゆっくりと立つ。両手を横に広げてひじを曲げ、指先を肩につける。そのまま肩回しを前に10回、後に10回ずつ。肩甲骨が動いていることを意識して。
●STEP6「立ちポーズの熊」
足は肩幅に開き、腕を上げて、胸を大きく開くようにひじを曲げる。同時に息をたっぷり吸う。次に息を吐きながらひざをできるだけ深く曲げる。体が前に倒れないよう注意。10回。
●STEP7「ゴリラのダンス」
前かがみで足を肩幅に開き、ひざを曲げると同時に、左右の腕で2つの円を描くように肩を大きく回す。ひざを曲げたときに首を前に倒すように脱力させる。10回。
●STEP8「進化したヒト」
立ちあがり深呼吸を3回。2秒で吸って5秒で吐く。
詳しい内容・やり方は以下の記事をチェック!
1か所3分!「超ラクトレーニング」でひざ痛・腰痛・肩こりを解消
1日5分で腰痛が改善される“風呂ストレッチ”
その日の疲れを癒してくれるお風呂。その役目は体を清潔にするだけではない。湯船にゆったり浸かれば浮力によって体が癒され、水圧と湯の温かさにより血流も上がり、体のさまざまな不調を取り除くことができる。
ドイツでは、医学的に認められた『バーデ』という温泉療養施設があり、治療やリハビリのためにアクアエクササイズのプログラムが用意されているほど、水中でのストレッチには効果があるとか。
『バーデ』の理論をもとに国士舘大学・教授の須田幸治さんが考案したのが“風呂ストレッチ”だ。基本的には、湯船に浸かった後、5分ほど体を動かすだけ。それだけでも、大きな変化が訪れるという。
腹筋が弱い、腰や背中が反っている、股関節がゆがんでいるなどが腰痛の原因とされている。改善するには、太ももの裏側と背中の筋肉をリラックスさせ、お尻の両サイドを鍛えるストレッチがオススメだ。
【1】息を吐きながら、片足のひざを胸元に引き寄せる(左右交互に10秒ずつ)。
【2】足の付け根から足全体を左右に振り子のように動かす(ひざは曲げてもよい)。1、2の動作を1セットとして、3セット×10回(足は交互に)。
この1日5分の“風呂ストレッチ”には、特に女性に嬉しいメリットがある。新陳代謝が活発になるので、肌もキレイになるうえ、健康的に痩せられるなどの効果も期待できるのだ!
下記サイトでは、“風呂ストレッチ”の効果をさらにアップさせる「10個」のヒントも書かれている。体操内容と合わせて、早速記事をチェックしてみよう!
イラスト/成瀬瞳、上田惣子、こさかいずみ、
※初出:女性セブン