注目の<オンライン診療>サービス「おうちで気軽に診療、薬局やドラッグストアなど処方箋の受け取り場所も拡大」
新型コロナウイルスの流行により、2020年に規制が緩和され、注目を浴びるようになったオンライン診療やオンライン医療相談。しかし、実際の利用者はまだまだ少ないのが現状だ。オンライン診療は、実際何ができるのか。病気が気になった時に医師に相談できたり、診療や薬も処方してもらえる『おうち病院』というサービスを紹介する。
コロナ禍で普及した「オンライン診療」の今
対面での医師による診察を受けることが難しい離島や山間部などの地域に住む人を対象にスタートした遠隔診療(オンライン診療の前身)。2018年の診療報酬改定で「オンライン診療」は保険が適用されるようになったが、対象となる疾患が限られており、初診は原則として対面で行う必要があった。
しかし、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、時限的・特例的な対応として初診も含め、医師の判断で電話やスマートフォン・タブレットを活用したビデオ通話による受診・医療相談ができるようになり、2022年4月の診療報酬改定で正式に可能となった。だが、まだそこまで普及していないのが現状のようだ。
そんな中、自宅・職場などからオンラインで医師とつながり、診療・医療相談・健康管理ができる『おうち病院』というサービスに注目が集まっている。
休日や夜間の受診も可能、気軽に相談できる
アナムネが運営する『おうち病院』は、チャットやビデオ通話で医師に日々の悩みを相談することができる。
使い方は簡単。新規登録をしてクレジットカード情報を用意するだけ。問診票の入力すれば、すぐに医療機関の予約やオンラインでの医療相談を受けられる。
『おうち病院』のオンライン診療・医療相談は、一般的な病院・クリニックが開いていない土日祝日や早朝・夜間でも受診(受診は8時~22時、受付は24時間365日対応(※2024年5月現在)。体調・症状に不安があればすぐに受診・相談が可能だ。
自分の好きなタイミング、好きな場所で受けられるほか、予約時間通りに診察が開始され、対面診療よりじっくり話をすることができるという。初診から保険診療が適用されるので、治療費に困る心配もない。
診療科も幅広く、花粉症や月経困難症・PMS、多汗症、ヘルペス、喘息などの特化型外来のほか、内科、小児科、皮膚科、循環器内科などが対応している。
症状の説明や病気の可能性について、病院で聞くべき内容や自宅で様子を見る場合の注意点などを教えてもらえるだけでなく、病院へ行くほどでもないちょっとした悩みから、初めての妊娠、出産・育児など女性ならではの相談も気兼ねなくできる。
ただ、オンライン診療では麻薬や抗がん剤、糖尿病薬などハイリスク薬と考えられる薬剤の処方はできず、血液検査や血圧測定などが必要な場合は、診断が確定できない可能性がある点だけ気をつけておきたい。
そのほかにも、自分に合ったサプリメント、漢方を医師や中医学アドバイザー(薬剤師や登録販売者)に相談ができたり、定期的な健康状態の管理もサービス内容に含まれている。
<おうち病院で相談でききること>
・オンライン医療相談
・オンライン診療
・オンラインサプリ相談
・医療特化検索メディア「clila(クリラ)」での医療情報の閲覧や病院・クリニック検索
・パーソナルドクターによる定期的な健康状態の管理
・おウチで健康チェック(時間と場所を選ばずに実施できる健康診断)
薬局やドラッグストアなど約6000施設と提携
『おうち病院』は、ツルハドラッグや日本調剤、コスモス薬品など大手調剤薬局および調剤薬局併設のドラッグストアなど約6000の施設と連携している。自宅や職場、宿泊しているホテルの近くなど、その日の生活に合わせて自由に設定できるので、仕事や育児で多忙な人も利用しやすい。
2024年4月8日からは、中部、関西、関東、北陸・信州エリアを中心に1718店を展開するスギ薬局と連携を開始。店舗の調剤併設率も約81.8%と非常に高く、多くの店舗で調剤サービスを受けることができるようになった。
インターネット環境があれば、自宅や外出先からも利用できるオンライン診療。通院の時間や待合室での時間を節約することができたり、一人での通院が難しく家族の付き添いが必要な人にとってはありがたいサービスだ。慣れ親しんだ対面のコミュニケーションも必要だが、さまざまなサービスが誕生している今、自分にあった受診方法を見つけて、病気の不安を少しでも減らせるようにしたい。
【データ】
『おうち病院』
https://anamne.com/clinic
オンライン診療について(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/stf/index_0024_00004.html
※アナムネの発表したプレスリリース(2024年4月8日)を元に記事を作成。
図表/アナムネ提供 構成・文/松藤浩一
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