兄がボケました~若年性認知症の家族との暮らし【第246回 また一つ老けました】
全国あちらこちらで桜の便りが聞かれ、春爛漫のこの頃です。ツガエマナミコさんは、春生まれ。毎年この時期に一つ歳を重ねます。そして、寄る年波を痛感することもあるようで…。今回はそんなお話です。

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ストレスを溜めない術
春を迎える度に、一つ歳をとるツガエでございます。
ふとした瞬間に歳をとったと感じることが年々増えてまいります。身体は硬くなりますし、手にした物をよく落としますし、平らな道で躓いたり、スーパーの薄いビニール袋の口が開けられない症状も…。先日は、兄の洋服に名前を縫い付ける際、針に糸がどうにも通らなくて悲しくなりました。15分も格闘したでしょうか。時間が経つほどに益々目がぼやけてしまい、針に糸が通った頃にはぐったり疲れてしまいました。このとき初めて「糸通し」の必要性を感じたのでございます。
わたくしの裁縫道具箱には「糸通し」がございません。缶ジュースの蓋のようなあの物体を見た当時、「なんじゃこれ?要らないな」とゴミ箱に入れてしまったように思います。
若い頃は母親によく糸通しを頼まれたものでございます。そのときは「何でこれができないの