白い歯のかぶせもの最新事情「銀歯との違いや素材、費用、歯を残せないケース」を医師が解説
セラミックとプラスチックを合わせた素材。保険適用内で使用できる白いかぶせものの中で最も強度が高く割れにくいのが、2022年に登場した「CAD/CAM冠」。上下の歯の左右1~5番は無条件で適用、6番(第一大臼歯(だいきゅうし))は上下左右の第二大臼歯がいずれも残存し、過度な咬合圧がかからない場合に適用。7番(第二大臼歯)は金属アレルギーの場合、適用。
<無条件で保険適用になる歯>
上下の1~5番の歯(オレンジ色)
<条件付きで保険適用になる歯>
上下の6番の歯(薄緑色)
<金属アレルギーの場合>
上下の7番の歯(水色)
長持ちと色合い重視なら保険適用外のものを
保険適用内で使えるかぶせものの寿命は、一般的に5年程度が平均とされる。
「寿命がくると、また治療して入れ替えればいいのでは?と思われるかもしれませんが、歯は治療を繰り返せば繰り返すほど劣化し、傷んできます。そうすると歯を失うリスクも高まります。その点、セラミックを使った保険適用外のかぶせものは劣化するスピードが遅く、一般的に寿命も10年以上。費用は数十万円かかるものもありますが、できるだけ自分の歯を残したいと思うなら、費用対効果は悪くないと思います」
保険適用内の“かぶせもの”4選
※費用は編集部調べ。保険適用内のかぶせものは金属価格の変動につき、時期によって異なる。
【1】硬質レジン前装冠
<特徴>
金属のフレームの表面に硬いレジン(プラスチック)を接着して製作。虫歯で歯を削ったときに使われ、前歯に適用される。劣化しやすい。
【2】金銀パラジウム合金
<特徴>
金属のみで製作するかぶせもので強度が高く、前歯以外の歯に適用される。見た目があまりよくないのと、金属アレルギーを引き起こしやすい。
【3】硬質レジンジャケット冠
<特徴>
プラスチックのみで製作される。前歯から左右の小臼歯(しょうきゅうし)内に適用される。年月が経つと光沢が失われ、欠けやすい。
【4】CAD/CAM冠
<特徴>
専用の機械を用いてプラスチックとセラミックを合わせた材料を削って製作。保険適用内の中ではもっとも自然の歯に近く安価だが、適用できる歯に制限がある。