金子みすゞの詩とのコラボ商品も!「闘病や介護がもっと明るくときめく」商品を企画販売する若年性がんサバイバーがおすすめする冬のギフト
若年性がんの発病から治療までのご自身の体験を元に、ケア介護用品のブランド『KISS MY LIFE』(株式会社TOKIMEKU JAPAN)を立ち上げた塩崎良子さん。女性起業家としても注目されていますが、闘病中はいつも誰かに「ごめんね」と謝ってばかりだったと振り返ります。自分と同じような患者さんたちが自分らしく生きるお手伝いをしようと心に決めたエピソードや開発する商品への想いを語っていただいた前編に続き、後編では、塩崎さんご自身のストーリーや、運営するオンラインストア(通信販売)のお話を伺います、(聞き手/堀けいこ)
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―― 最初にアパレル会社、次に『KISS MY LIFE』と、服飾(ファッション)の分野で2度の起業をしている塩崎さんですが、小さい頃から、ファッションに関係する環境だったのでしょうか?
塩崎:私はとくにリーダーシップがあるわけでもなく、家族が特別お洒落だったりしたわけではありません。でも学生時代は、映画や音楽などカルチャー寄りの趣味をもっていたので、それがクリエイティヴなところにつながったのかな、とも思います。映画ではとくに1960年代の洋画が好きなのですが、その時代を代表する女優のオードリー・ヘプバーンやジーン・セバーグをイメージしてデザインしたケア帽子なども展開していて、『KISS MY LIFE』のシグネチャーモデルになっています。このケア帽子は、「最近、髪の分け目が気になって」なんておっしゃるシニアの女性の方にも好評なのです。
―― シニアのお客さまの中には、1960年代の映画をリアルタイムで観ていた年齢の方も多そうです。オンラインストアのサイトはそういう世代を意識した作りにしているのでしょうか。
塩崎:そうですね。スマホやパソコンに慣れてないお客様も多いので、「わかりやすく」「入りやすく」「見やすく」というのを基本にしています。おしゃれにしすぎて“ボタン”が見えにくい、なんてことのないように。また、それぞれの商品ページは、その場で接客しているようなイメージの構成にしています。商品へのお問い合わせも、最初はメール受付だけだったのですが、今では、電話対応するようにしています。販売する私たちの側にとっても、直接お話した方がが説明しやすかったりしますから、こうしてよかったと思っています。
―― 注文の前だけでなく、商品が届いた後でのお問い合わせもありますか?
塩崎:商品のお問合せだけでなく、お礼のお言葉をいただくこともあります。その流れで、最近の出来事や、ときにはお嫁さんのことをお話されたり…(笑い)。親しみを持っていただいてることが感じられます。また。商品選びで迷っていらっしゃっるお客さまから、「どっちの色がいい?」なんてご相談もあります。
―― そうした色のアドバイスはどのようにお答えするのですか?
塩崎:普段お持ちの服の色や好きな色を尋ねたり、かわいい感じとスタイリッシュなものなものではどちらいいかなど、雰囲気の好き嫌いを伺っています。
―― ケア用品選びでは、機能も大事ですが、一方で、そういう“好き”という気持ちも大切かもしれませんね。
塩崎:私、がん発病後しばらくは、病院の売店で買ったケア帽子を被る生活をしていたのですが、闘病中に初めて母が私の自宅に来るとなったとき、自分のこの姿を母に見せてはならないという気持ちになったのです。なぜなら、いかにも「病人です」というふうに母の目に映るんじゃないかと気になったから。それで急いで好きな色柄のスカーフを買いに出かけて、ケア帽子の代わりに頭に巻きました。
病院に通うときも、用事があって人と会うときも、とにかく「病人に見られたくない」という気持ちが強くありました。ですから、私は、少しでも日常に近い格好をして、好きな色を身につけていたんです。その時間は気持ち的に病人にならずにいられたと思います。
―― 色や柄などの見た目は、気分を上げるためにも重要なんですね。ご家族などが、贈り物を選ぶときも大切なことかもしれないです。
塩崎:そうだと思います。介護施設に入っている親御さんのためにプレゼントを選ぶ方、離れて暮らすご両親のために選んでくださる方も多いのですが、ご購入品が決まったタイミングで「メッセージカードを入れませんか」とおすすめしています。特に、男性の方ってなかなか「はい」とおっしゃらないのですが、一言メッセージを添えるだけで受け取られる方の喜びが大きくなると思いますので、是非! 私たちは『KISS MY LIFE』が、親子をつなぐツールになってくれれば、と願っています。
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塩崎さん自身のがん経験からから、闘病中の方、ケア、介護が必要な方にも笑顔で「その人らしく」過ごしてもらいたいとの想いを込めて誕生した『KISS MY LIFE』。機能性や安全性にも配慮がされながらも、手にした人の心がときめくデザインが施されている商品が販売されています。自分自身に、親御さんに、そして大切な思いを寄せる人への届けてほしいと塩崎さんがクリスマスプレセントなど冬の贈り物におすすめの品々をピックアップしてくれました。
金子みすゞの詩句をそばにおいておきたい!
今年の9月、発売がスタートした “塩崎さんの思い入れのある商品”。
大正時代の童謡詩人、金子みすゞの作品は、小さな命の愛おしさや生きることへの希望を詩句にされている。そして、その作品に塩崎さんも力づけられたひとり。
「闘病中、体が辛いときや検査結果を待つとき、自分だけが世界一不幸な気がしたこともありました」(塩崎さん、以下「」内同)
後ろ向きの気持ちになったときに、力強く生きる美しさが光る金子みすゞの詩が支えになったといいます。
金子みすゞの詩句を「ずっとそばに置いていたい」という塩崎さんの思いを実現させたのが、『misuzu uta /みすゞうた)』(金子みすゞの詩句の世界観を表現したテキスタイルブランド)と『KISS MY LIFE』のコラボレーション商品。
●みすゞうた× KISS MY LIFE コラボ 『淡雪』 マジークハットオードリー LUXE 医療用帽子 ケア帽子 ¥6600(税込)
https://www.kissmylife.jp/c/kml/magiquehat/hat_audrey/kml100154
●みすゞうた × KISS MY LIFE コラボ お薬カレンダー かわいい おしゃれ 投薬カレンダー 『私と小鳥と鈴と』 金子みすゞ 服薬スケジュール ¥3960 (税込)
https://www.kissmylife.jp/c/vintage/kml230101
●みすゞうた × KISS MY LIFE コラボ 杖 かわいい おしゃれ 高級 折りたたみ 軽量 女性 ステッキ 刺繍入りポーチ付き Bonbon Stick 『山茶花』¥23,100(税込)
https://www.kissmylife.jp/c/vintage/v_ladies/vl_stick/kml130111
塩崎さん&スタッフが選んだ“冬のギフト”おすすめの5品!
●レディース 伸びるWガーゼ ルームウェア¥9900(税込)
https://www.kissmylife.jp/c/vintage/v_ladies/vl_pajamasroomwear/vl_pajama/kml180109
「ふんわりと柔らかく羽根のような軽さのパジャマ。天然素材のガーゼを使用。おうちでくつろぐときだけでなく、憂鬱な入院時にも、やさしい着心地ときれいな色がうれしいもの」
●あゆみ × KISS MY LIFE コラボ papillon 室内用ケアシューズ¥4840(税込)
https://www.kissmylife.jp/c/gr4/kml160104
「エレガントで上質感のあるツイード生地を使ったケアシューズ。軽く、着脱も楽。底面は滑りにくい底面。「歩きやすさ、転倒のしにくさ」を追求するケアシューズの老舗専門メーカー『あゆみ」とのコラボレーションで生まれたました」
●ブローチ付き花柄パイピングフリース肩掛け ¥8800(税込)
https://www.kissmylife.jp/c/vintage/v_ladies/vl_shrcape/kml110107
「軽やかに羽織れるフリース肩掛けです。『ブローチ付きで可愛いかった』という購入者の方からのコメントもいただきました。顔色を良く見せるカラーが揃っています」
●締め付けない名入れソックスメンズ(ジャガード)3色セット¥2860(税込)
https://www.kissmylife.jp/c/vintage/v_mens/vm_socks/ms3034807301
「外からは見えにくい底面に油性ペンなどで名前が書ける紳士用ソックスです。お洒落なダイヤ柄。足元の臭いを軽減する防臭抗菌加工が施されています」
●水拭きできる お食事用エプロン 男女兼用 ¥2530(税込)
https://www.kissmylife.jp/c/vintage/nursing/ns_apron/kml200105
「スタイリッシュなデザインと使いやすさにこだわったお食事エプロンです。清楚なピンクベージュの花柄やシックなネイビーのモノグラム柄など、豊富な色柄を揃えているため贈る相手を思い浮かべながら色柄を選ぶのも楽しいと思います」
【データ】
KISS MY LIFE 公式オンラインストア
https://www.kissmylife.jp/
電話:0120 684 256
がんケア用品 https://www.kissmylife.jp/f/kiss_my_life
シニア・介護ケア用品 https://www.kissmylife.jp/f/kiss_my_life_vintage
取材・文/堀けいこ