「冷凍した手作り介護食をこたつで解凍はNG」介護食のとろみ剤、作り置き、冷蔵・冷凍保存、解凍の注意点を徹底解説
作り置きしたとろみつきの介護食は「冷凍」保存には向かない場合があります。その理由は、とろみつきの食品を冷凍して加熱解凍した場合、とろみの強さが変化してしまう場合があるからです。
また、加熱解凍の時に料理からの離水がおき『誤嚥』しやすくなることもあるため、必要に応じて管理栄養士や医療介護の専門家に相談してみましょう。
介護食を冷凍する場合は、『とろみをつける前』の状態で冷凍保存して、食べる際に解凍した後にとろみ剤を使うのがおすすめです。
介護食の作り置き・冷凍保存におすすめの料理例
・ミネストローネ
野菜をたっぷり摂れるおすすめメニュー。トマト缶を使って、軟らかく煮た野菜(たまねぎ・人参・キャベツ)をコンソメ味で煮込んで作ったスープです。
1食分ずつ小分けにして冷凍し、食べる分だけすぐに解凍して使えるので便利です。
・和風だし
かつおぶしと昆布でだしをとった液体を製氷皿などに注いで冷凍。1皿分ずつ解凍して、お浸しや豆腐にかけて使えるので便利です。
こちらも冷凍に適した容器に注ぎ、小分けにして冷凍しておけば使いたいときに解凍し、とろみをつけることですぐに1品作ることができます。
和風だしは、旨味成分が豊富で、唾液量の分泌を促す作用も期待できます。唾液量が減少して口の中が乾燥しやすい高齢者にはおすすめです。
とろみつき介護食の保存期間は?
介護食の中でもミキサー食やきざみ食は、加熱後も人の手や調理器具を介する頻度が高いので雑菌が増えやすいものです。調理後も室温に置いている時間が長ければ長いだけ、雑菌があっという間に繁殖し食中毒の原因になります。
作り終えたものは、清潔な容器に移し早めに冷蔵庫で保存しましょう。
冷蔵庫で保存する場合は24時間以内に。冷凍庫で保存する場合も1週間程度、遅くても2週間以内には食べきるようにしましょう。
介護を食作り置きするときの注意ポイント【まとめ】
・高齢者の介護食は衛生面にとくに注意を
普段の食事作りの場合もそうですが、調理前はもちろん、調理中であっても肉や魚、土がついた野菜を触った後は必ず手を石鹸等でしっかり洗い衛生面には細心の注意を払いましょう。
調理器具(まな板や包丁)は、『生食用のもの』・『肉・魚など加熱用』のものというふうに、食材によって使い分けることも必要です。
梅雨時期~夏場など温度管理が難しく食中毒等の発生が多い時期の作り置きは極力控えましょう。
・解凍方法「コタツで解凍する」これは絶対ダメ!
一度冷凍した食品の解凍の仕方にも注意が必要です。自然解凍をすると解凍している間に雑菌が繁殖してしまうので厳禁です。必ず、電子レンジ等で短時間しっかりと再加熱しましょう。
ちなみに、私がよく高齢者のかたに聞くのは、「冷凍した食材をコタツでゆっくり解凍している」という声です。コタツの中は衛生面も温度も雑菌が増えやすい状態ですからやめましょう。
大切な家族のために作った作り置きの介護食が食中毒の原因になっては大変。離れている家族に作る場合は、どのように解凍されているかまでよく確認することが大切です。
高齢者の多くは、免疫力・抵抗力が低下しています。『作り置き』をする時は、衛生面に細心の注意をはらいながら作り、しっかりと再加熱、とろみの状態を見て安全を確認して提供しましょう。
【商品デ―タ】
使ったのは、第三世代のとろみ剤。消費者庁の「えん下困難者用食品」マークを取得。
『バランス献立 とろみエール」(アサヒグループ食品)
おすすめポイント「味を変えずにサッと溶けてダマになりにくい。ドラッグストアなどでも買いやすく、スティックタイプ(2.5g)から1kgの袋タイプまでラインナップが豊富」
2.5g×30本 626円
https://www.asahi-gf.co.jp/special/senior/foods/items/toromiyell/toromi_stick.html
『ソフティアS とろみ調整用食品」(ニュートリー)
おすすめポイント「医療機関でも使われる安定のブランド。どんな種類の液体でも同じ添加量で同程度のとろみがつくので、シンプルで使いやすい」
3g×50本 831円
https://nutri-shop.jp/shop/g/g313sofS/
『キユーピー やさしい献立 とろみファイン』(キユーピー)
おすすめポイント「比較的少量でとろみ付けできる。飲み物・料理全般、炭酸飲料にも炭酸が残ったままとろみづけも可能」
1.5g×50本 1037円
https://www.kewpie.co.jp/udfood/product/toromi/toromi/4901577063046/
●日本初!嚥下機能が衰えた人も安心「とろみ付き」飲料を選べる自販機