兄がボケました~若年性認知症の家族との暮らし【第209回 兄に新たな疑惑】
若年性認知症の兄と暮らすライターのツガエマナミコさんが綴る日常エッセイ。兄の排泄トラブルで頭を悩ますマナミコさんですが、このたび新たな悩みが増えそうな予感…。ベランダで兄が下を向いてしていたこととは?マナミコさんの心配は尽きないのです。

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兄、お唾吐き?
兄は時折ベランダに出て町の風景を眺めております。そばにマンションが立ち並んでいるので、意味もなく外をじろじろ眺めているのはよくないと思いますが、一人では外を出歩けないのですから、そのくらいは仕方がないと思っております。ただ、お尿さまやお便さまをいたしてしまうことは許容できません。最近、ベランダに出る兄を見かけるたびに「トイレはこっちだよ」と誘導を心がけておりますのでベランダでのお尿さま回数は減ってきております。それでも気づくとお尿さまの形跡を発見するので、相変わらずわたくしはお掃除とお消毒の毎日でございます。
そんな兄に新たに「お唾吐き疑惑」が浮上してまいりました。
少し前、ベランダの手すりから顔を出すようにして、つま先立ちで真下を眺めている兄を発見いたしました。手すりは身を乗り出せないくらいの高さはあるので、安心してしばらくその背中を見守っていると静かに唾