最旬!特別養護老人ホームリスト「割安で入居者に寄り添ったケアが受けられる特養10選」
新型コロナウイルスが5類に移行し、老人ホームでもようやく入居者と家族の面会や見学が可能になってきた。そんな中、費用が抑えられ、介護サービスが充実している「特別養護老人ホーム」に再び注目が集まっている。入居者の生活の質を向上させる「特別養護老人ホーム」をプロが厳選した。
終の棲家として選ぶ「特別養護老人ホーム」
全国の高齢者施設で面会や見学が再開するなか、施設に求められるものは変わりつつあるという。
全国介護事業者連盟の斉藤正行理事長が語る。
「新型コロナは5類に移行しましたが、高齢者にとって脅威であることは変わりません。今後も引き続き、十分な感染対策を講じる必要があります。一方、この3年間で職員の離職も目立ちました。今後は魅力的な職場環境の構築が求められ、ひいてはそれが入居者の生活環境の改善につながっていくものと考えます」
高齢者の生活の場としての魅力、またそこで働く人たちにとって職場としての魅力、その双方を兼ね備えてこそ、コロナ後の“いい施設”になるという指摘だ。先進的な取り組みを行ない、多様化するニーズに応える介護施設を専門家に厳選してもらった。
まずは、自治体や社会福祉法人が運営する公的な施設である特別養護老人ホーム。特養の評価・認証を請け負う第三者機関Uビジョン研究所の本間郁子理事長が解説する。
「特養は原則的に要介護度3以上でないと入居できませんが、『終の棲家』として考える入居者が少なくありません。長く住むことを前提に、スタッフとの関係構築や日々の食事などに先進的な工夫を施している施設を選びたい」
埼玉県所沢市の特別養護老人ホームアンミッコは2012年のオープン以来、食事の面で先進的な取り組みを行なっている。理事長の三浦祐一氏が言う。
「日々のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)を高めるにあたり、食事はとても大切です。私たちは、1日3度の食事を施設内のキッチンで手作りしており、そのすべてを利用者の身体の状態によって作り分けています」
アンミッコでは他の施設と異なり、噛む力が弱まった入居者用に食事を細かく刻んだ「きざみ食」やミキサーでドロドロにした「ミキサー食」は存在しない。噛む力の減退や歯の状態によって咀嚼に問題が生じ、普通の食事(常食)が難しくなったら、まずは「軟菜食」だ。
「特殊な調理法で、食事の見た目を変えずに歯茎で潰せる程度まで柔らかくします。さらに咀嚼や飲み込みに課題のある方には、噛まなくてもいい硬さまで加工した『ソフト食』を出しています。利用者の状態をみて、毎日の1食ごとに対応しています」(三浦氏)
軟菜食もソフト食も常食と同じ食材を使っており、常食と変わらない味だという。ソフト食はゼリーのような見た目だが、魚や野菜といった食材ごとの型で形成し直すことで、いつまでも食事の楽しみを維持できるように努めている。