兄がボケました~若年性認知症の家族との暮らし【第201回 表裏を使いこなす人間になりました】
若年性認知症の兄と暮らし、生活のサポートの一切を担うライターのツガエマナミコさんが綴る連載エッセイ。ドラマ『白い巨塔』に登場する冷徹な医師・財前五郎のような兄の主治医。診察に付き添うたび、その対応に心がざわざわするマナミコさんですが、最近はあきらめの境地…。それよりも、自分自身の今後も心配なこの頃のようです。

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財前先生(仮)は相変わらず
「識字率」をご存じでしょうか。日本人の識字率はほぼ100%で、誰でも読み書きができると信じられてきました。でもこれは75年前、米国GHQ(連合国軍総司令部)の命によって行われた調査の結果で、それ以来、識字率の全国調査は行われていないそうでございます。現在、日常生活に支障をきたすほどに読み書きができない日本人は一定数いるよう。実態把握が急務と新聞記事にありました。
「そういえば、兄も読み書きできないな」と記事を読みながら思ったツガエでございます。
デイケアで書く本人サイン欄には、いびつな丸だったり、「へ」の字のようなものだったり、およそ文字ではございません。書けなくても、せめて読めてくれればいいのですが、自分の名前しか識別できません。「〇じごろ、かえります」と書いた張り紙も意味があるのかないのか…。
通院時、「番号を呼ばれたら