ガムで「噛む力」を評価!注目の“咀嚼チェックガム”で人生100年時代の新たな口腔ケアを習慣に
日本は高齢化と長寿化が進み超高齢社会へ突入した。長い人生を健康で暮らすために歯や口の働きが衰える「オーラルフレイル」を予防し、「噛む」機能をいかに維持できるかが課題となっている。1948年からガムの製造販売を行っているロッテの「咀嚼」に対する取り組みを紹介する。
健康で長生きするには「噛む力」が重要
WHO(世界保健機関)の統計調査によると日本は健康寿命が世界で一番長い国となり、「人生100年時代」の長寿社会を迎えた。
東京医科歯科大学・高齢者歯科学分野の教授、水口俊介さんは、
「単に長生きするのが良いわけではなく、健康で活力を保ったまま年を取る、いわゆる健康寿命を延ばすことが必要。そのためには噛む力を衰えさせず適切に栄養を補給し、フレイル(虚弱)に陥ることを防ぐことが大事です」
と咀嚼能力の重要性を語る。
最近では歯や口の機能の衰えを意味する「オーラルフレイル」という概念が普及しつつあり、口腔機能の低下が老化の始まりを示すサインと言われるようになった。口腔機能が低下すると食べたり話すことが困難になり、栄養バランスが偏ったり人と会うことが億劫になる。外出する機会が減れば運動不足で筋力はどんどん衰え、社会との関わりを失う可能性もあるためオーラルフレイルの予防と改善の必要性が高まっている。
噛んだガムの色で咀嚼能力を評価
咀嚼能力を簡易的に評価するツールとしてロッテと東京医科歯科大学が共同で開発したのが『キシリトール咀嚼チェックガム』だ。
「唾液の量」「咬み合わせの面積」「舌の力」「唇・舌・顎関節の運動機能」など複合的な因子で総合的に咀嚼能力を評価する。噛んだガムの色の変化によって咀嚼能力がチェックできるというものだ。
噛み終わったガムの色を、パッケージ表面の5段階カラーチャートで簡易的にチェックできるほか、専用の10段階のカラースケールも販売されている。
さらに、新たに『咀嚼チェックアプリ』もリリースされた。
同アプリは、東京医科歯科大学・高齢者歯科学分野の監修により、ロッテがAIoTクラウドと共同で開発したもので、カラーチャートで判断する方法よりも正確かつ客観的に咀嚼能力を評価することができるという。
ガムとアプリの使い方は簡単
うがいをしてからガムを1秒に1回ペースで60秒噛んだら、カラーチャートと合わせて色の変化を見る。
アプリを使う場合は、パッケージ内に同梱された測定用台紙にある二次元バーコードを読み取り、WEBアプリのページにアクセス。アプリをインストールしたら、ガムを噛んでから台紙にのせる。スマホやタブレットで撮影すると、ガムの色をアプリが認識して測定結果が表示される。
「咀嚼能力は歯の数だけではなく顎の関節や筋肉などさまざまな部位の影響を受けるため、総体的にかつ簡便に評価する手法として咀嚼チェックアプリは今後重要な役割を担うことができると考えています」(水口さん)
なお、このガムは歯科医院専売となっており、歯科医院向けのオーラルケア商品として販売されている。虫歯など歯のトラブルがなくても定期的に歯科医院に通院し、ガムとアプリで咀嚼能力をチェックして、オーラルフレイルを防ぐ“口腔ケア”を習慣にしたい。
【データ】
キシリトール咀嚼チェックガム(歯科医院専売)
価格:オープン価格 個装(1枚入り)
https://www.oralcare.co.jp/product/post-32.html
取材・文/松藤浩一