遺骨をロケットで銀河へ「宇宙葬」や「海洋散骨」ほか注目の葬儀事情をレポート!
昔は当たり前だった遺骨は墓に納めるという考えが変わってきている。現代では親族だけでなく、自ら自然葬を希望する人が多いという。故人といつまでも一緒にいたい気持ちから、遺骨を自宅で保管する人も。最新の葬儀事情について専門家に伺った。
「自然葬」を選択する人が増えている
火葬が終わると遺骨を墓に納めるのが一般的だが、納骨堂や合同墓に納めたり、海など自然の中に葬送する「自然葬」を選択する人が増えている。
「樹木葬はお墓を維持する手間がかからず、自然と一体になれることが人気の理由です。
さらに近年人気なのが、海洋散骨。以前は『故人は海が好きだったから』と希望する家族が大半でしたが、最近は終活として自ら選択する人が増えており、お墓を建てない葬送スタイルとして認知されています」(海洋散骨を行う『ハウスボートクラブ』代表の赤羽真聡さん・以下同)
遺骨をパウダー状に加工し、環境に配慮した水溶性のエコリース・エコフラワーやメッセージカードなどと一緒に海に送ることができ、全骨はもちろん、分骨した一部のみを散骨するケースもあるという。
■大海原をお墓にする海洋散骨
「最期は海へー自然に還るという選択肢」をコンセプトに、2007年からサービスを開始。「チャーター散骨」をはじめ、「合同散骨」「代行散骨」「墓じまいサポートパック&代行散骨」も実施している。
■海洋散骨「ブルーオーシャンセレモニー」
問い合わせ:ハウスボートクラブ
料金:チャーター散骨プラン(東京湾を含む国内40か所)平日29万7000円~、代行委託散骨プラン5万5000円(ご遺骨1柱) すべて献花用花びら、散骨証明書つき。
「宇宙」も自然葬の選択肢に入る時代!
このほか、海よりさらに広大な宇宙空間に散骨する「宇宙葬」という選択肢もある。
■遥か彼方に飛び立つ宇宙葬
専用ボックスに遺骨を納め、人工衛星にのせてロケットで地球周回軌道上に打ち上げる。次回は2023年秋の予定。
宇宙SOH <葬・想・創>
問い合わせ:SPACE NTK https://space-ntk.com/ 料金:少量(卵1つ分)55万円~
最近注目されている「手元供養」
「納骨は四十九日や一周忌などの法要を目安に行うのが一般的だが、いつまでにしなければいけないという決まりはありません。『手元供養』といって、遺骨を自宅などで保管する人もいます」
コンパクトな仏壇に、遺骨を収容できる“お墓”としての機能を追加したハイブリッド仏壇も登場している。
故人といつまでも一緒にいたいという人の新しいお墓・納骨のカタチとして注目だ。
■手元供養として、遺骨も納められるハイブリッド仏壇
お墓と仏壇が融合した自宅供養墓。洗浄・滅菌・乾燥した遺骨を真空パックにして専用の遺骨収納ケースに納め、下段の引き出しに収納する。
問い合わせ:サン・ライフ サカエヤ仏壇 平塚本店
料金:39万8000円
教えてくれた人
赤羽真聡さん/ハウスボートクラブ・代表 https://hbclub.co.jp/
取材・文/山下和恵
※女性セブン2022年12月1日号
https://josei7.com/
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