【にんにく最強活用法】種類、切り方、ニオイの話から毎日使える調味料まで
疲労回復や強壮効果、免疫力アップなど、弱った体に活力を与え、病気を防いでくれる最強食材“にんにく”。体調を崩しやすい秋冬にこそ食べたい、にんにく活用法をご紹介します。
強烈なニオイを放つ成分にはさまざまな健康効果が!!
「がん予防に効果がある食材の中で、最も効果が高いといわれているにんにくは、健康増進の最強食材として、1週間に2回から3回は取り入れたい食材です」と日本大学名誉教授・医学博士の有賀豊彦先生。
その効果は、調理法でも変わる。「にんにくは、細かくカットするほど強いニオイと殺菌力を持ち、カビや細菌の繁殖を抑制します。油で加熱すると成分が変化し、強壮効果や血栓を抑制する効果も得られます」(同前)。
にんにくにも、さまざまな種類がある。
●国産にんにく
生産量日本一の青森に続き、香川や岩手などでも作られる。一粒が大きく、外皮が白く丸みをおびている。ニオイはマイルド。
●島にんにく
沖縄などで収穫される。球全体が小ぶりで鱗片(粒)は20個前後ある。切るとニオイが強い。辛みも強くパンチを効かせたい料理に。
●スペイン産にんにく
最近輸入量が増えているスペイン産は、皮色が白色と紫色の2種類がある。鱗片はやや多め。紫色の方がニオイが強い。味はマイルド。
●中国産にんにく
世界のにんにく生産量の80%が中国産。国産に比べると、粒が小さく、ピリピリとした辛味がある。3個で100円程度と手頃な値段で買える。
●黒にんにく
白い生にんにくを発酵・熟成させたもので味は甘酸っぱい。抗酸化作用、整腸作用がある。通常のにんにくに比べ、ニオイの心配が少ない。
にんにくの調理法による健康効果
●油で加熱:強壮効果、体温上昇、血糖値低下、血圧低下、抗がん作用、血栓抑制
●刻む、切る:殺菌、抗菌、血流をよくする
●丸ごと:体温上昇、血糖値低下、血圧低下
※国産・外国産ともに、健康効果を持つ成分量はほぼ同じ。
おいしいにんにくの選び方
できるだけ大きめで、肩部や根元を手で押さえたときに堅いもの、重みのあるものを選ぶ。芽が出ていたり、皮が茶色に変色しているものは避ける。
にんにくの切り方とニオイの関係
ニオイの強さは切り方で調節が可能。1片丸ごとでは匂わないが、細かく刻んで細胞を傷つけるほどニオイが強くなる。ただ、その分有効成分がたくさん発生し、健康効果が高い。 料理に合わせて切り方はお好みでOK!
●ニオイの強さ
右から左へいくほど弱くなる。すりおろし→みじん切り→せん切り→縦薄切り→横薄切り→1/2カット→つぶす
オススメ調理法
●みじん切りには、ガーリックバター
室温でやわらかくした有塩バター100gに、みじん切りのにんにく(2片)、パセリ適量を加えよく練り混ぜる。ラップに包めば冷凍保存が可能。使用時は加熱する。ガーリックトーストやムニエル、ホタテ、貝などの炒め物に。
●横薄切りには、ガーリックチップ
フライパンに薄切りにしたにんにくと、オリーブオイルを入れ、弱火(低温160度)にかける。色づいてきたらキッチンペーパーに取り出す。オイルはにんにくオイルとして使える。サラダやステーキなどのトッピングに。
毎日1粒! にんにく卵黄を作ろう
体温上昇効果や新陳代謝を活性化する働きのあるにんにくと、アミノ酸が豊富で免疫力を高める卵黄を練り込むだけでできる自家製サプリメント。家でも簡単に作れる!
<材料>
にんにく…250g(正味) 卵黄…1個分
<作り方>
【1】薄皮をむいたにんにくを串がすっと通るやわらかさになるまで蒸す(約20分)。フードプロセッサーに入れ、卵黄を加えよく混ぜる。
【2】1をフライパンに入れ、弱火で約30分ヘラで混ぜながら、白みそのような色、固さになるまで焦げないように練り上げる。
【3】ラップを敷いたバットに2を薄く広げ、1~2日室内で干す。途中表裏を返し乾燥させる。
【4】端からちぎりながら3~4mmに丸める。表面がカラカラになるまで1~2週間干し、清潔な瓶に入れ、冷蔵庫で保存する。
※約100粒できる。乾燥後、瓶に入れ、冷蔵庫で1か月を目安に食べきる。粒が大きいと飲み込みにくいので気をつける。
にんにく調味料
むいて漬けるだけでとっても簡単! にんにくをおいしく保存でき、調味料としても大活躍。
●にんにくしょうゆ漬け
薄皮をむいたにんにくを1片ずつ瓶に入れ、浸るくらいのしょうゆを注ぐ。好みで鷹の爪を入れてもOK! 魚の煮付け、冷奴、肉炒め、煮物に。
●にんにくオイル漬け
薄皮をむいたにんにくを1片ずつ瓶に入れ、浸るくらいオリーブオイルを注ぐ。好みで鷹の爪やハーブ、粒こしょうなどを入れてもOK! パスタ、ドレッシング、アヒージョに。
●にんにくみそ漬け
薄皮をむいたにんにくを1片ずつ、好みのみそと交互に瓶に入れる。みそ煮、モロキュー、焼肉の付け合わせに。
いずれも漬け始めて1週間後から使える。冷蔵庫で2~3か月保存可能。にんにくスライスやみじん切りで作った場合は、2~3日後から使える。料理で、しょうゆや、オイルの代わりにしたり、漬けたにんにくを使えばより味に深みが出る。
にんにくの保存法
カゴに入れ風通しの良い場所で1か月。小箱に入れ冷蔵庫で2~3か月。冷凍の場合は、皮をむき、1片丸ごとやカットした状態で2~3か月保存可能。
撮影/深澤慎平
※女性セブン2018年10月25日号