鶏もも、胸肉を1枚まるごと調理するレシピ6「良質なタンパク質で老けない体づくりを」
体力が落ちがちな夏、こんな時期こそ「肉」でしっかりスタミナを補強したもの。
「糖質を控えて、良質なたんぱく質をしっかり摂ることが健康で老けない体を作ります。肉の脂肪は太らないので、調理法を工夫しながらたっぷり食べてくださいね」と医学博士の牧田善二さん。
肉の中でも特に「鶏肉」は、ビタミンB群のナイアシンが豊富で、皮膚や粘膜を正常に保ってくれる。特に胸肉はほかの肉にくらべて低脂肪、高たんぱくでダイエットにぴったり。鶏肉をかたまりのまま調理するレシピを紹介する。
医学博士・牧田さんアドバイス!
●生肉のうちに酢に漬けるとGood!
「老化物質の元凶とされるAGEは高い熱を加えることで発生しますが、調理前に肉を酢や酸(レモン汁、ヨーグルトなど)に漬けることで、加熱時に増えてしまうAGEを抑えることができますよ」
●溶け出る栄養素が多い鶏肉は 汁ごと飲み干すメニューで
「鶏肉は水に溶け出る栄養素が多いので、蒸したり煮たりしたときに出た汁ごと食べるのがおすすめ。鶏肉の栄養を余すところなく摂取できます」
1.鶏もも肉とセロリのソテー ~レモンハニーマスタードソース
蒸し焼き&レモンでさわやかジューシー
「レモンのビタミンCは老化の一因となる活性酸素を抑制し、セロリのビタミンB6はたんぱく質の働きを補助。鶏もも肉のアミノ酸はコラーゲン生成を促し美肌に◎」(管理栄養士・フードコーディネイター・清水加奈子さん・以下(清))
材料(2人分)
鶏もも肉…2枚
塩、こしょう…各適量
レモン…1個
セロリ…1本
(A)
白ワイン…大さじ3
粒マスタード…大さじ2
はちみつ…大さじ1
塩、こしょう…各適量
オリーブオイル…大さじ1
作り方
【1】肉に塩、こしょうをし、レモンを輪切りにしてのせ、15分ほど置く。セロリは斜め切りにし、葉は刻む。
【2】フライパンにオリーブオイルを熱し、【1】の肉を両面を焼き色が付くまで焼く。レモン、セロリをのせ、ふたをして5分蒸し焼きにし、器に盛り付ける。
【3】【2】のフライパンに(A)を加えて煮詰め、肉にかける。
2.鶏胸肉のタンドリーチキンサラダ
しっとり肉をグリーン野菜と合わせて
「鶏肉はミネラルが少ないので、きゅうりやグリーンリーフで補って。カロテンが豊富なにんじんをドレッシングで加えて抗酸化作用&粘膜を強化し、免疫力を高めましょう」(清)
材料(3~4人分)
鶏胸肉…2枚
にんじん…1/2本(50g)
きゅうり、グリーンリーフ…各適量
(A)
カレー粉、レモン汁…各大さじ11/2
ヨーグルト、ケチャップ…各大さじ3
おろししょうが…小さじ1
塩、こしょう…各少量
(B)
マヨネーズ、無糖ヨーグルト…各大さじ1
ケチャップ…大さじ1/2
作り方
【1】(A)を混ぜ合わせ、肉を30分以上漬ける。
【2】にんじんはすりおろし、(B)と混ぜ合わせてドレッシングにする。
【3】きゅうりは皮を縞模様にむき、食べやすく切る。グリーンリーフはちぎる。
【4】耐熱容器に【1】を入れ、ラップをふんわりとかけて、電子レンジで6~7分加熱する。
【5】【3】を器に盛り付け、粗熱が取れた【4】を一口大に切ってのせ、【2】をかける。
3.鶏胸肉のサラダチキンと夏野菜
肉汁が野菜に絡んで美味
「耐熱皿ですべてレンチン調理してそのまま出せる簡単料理。味付けは酢と塩のみ。好みでマヨネーズしょうゆをつけて食べて」(料理家・山脇りこさん・以下(山))
作り方(2人分)
【1】鶏胸肉1枚(皮なし約250g) にフォークでまんべんなく穴をあけ、酒、酢各小さじ1をもみ込む。
【2】赤パプリカ1/2個を縦に等分に切る。甘唐辛子4本は縦半分に切る。オクラ4本は手に塩適量をつけて、もむようにこすりながら洗い、へたを取って斜めに2等分に切る。
【3】耐熱皿に【1】と【2】を並べ、塩小さじ1/2を振る。ふんわりとラップをかけて、電子レンジで5分加熱する。冷ましながら、余熱で火を入れる。食べやすく切り、器に盛り付ける。
4.骨付き鶏もも肉の梅煮込み
梅干しの旨みでよりおいしく
「鶏もも肉でも作れますが、骨付きにすることで、だしが出てより深い味わいになります。残った汁を素麺つゆにしたり、もち麦を加えてリゾットにすると美味」(山)
作り方(2人分)
【1】じゃがいも2個は皮をむき食べやすい大きさに切る。ズッキーニ(黄、緑)各1/2本は薄切りにする。
【2】鍋に骨付き鶏もも肉1本(約400g)と、3~4切れにちぎった梅干し1個(種も)、だし昆布(10×5cm=約10g)、肉がかぶるくらいの水を入れる。ふたをして中火で40分ほど加熱する。
【3】【2】に【1】の野菜を入れ、さらに10分加熱し、器に盛り付ける。
5.鶏もも肉のパリパリステーキ
パリッと焼き上げるから皮までおいしい♪
「冷たいフライパンから調理をスタートし、重しをのせて皮目を焼くのがパリッと食感のコツ! 重しは水を入れたボウルや鍋でOKですよ」(山)
作り方(2人分)
【1】フライパンにサラダ油小さじ2を引き、鶏もも肉1枚(約300g)の皮目を下にして置く。中火で熱し、フライパンが熱くなったら塩小さじ1/2を振り、アルミホイルをのせ、その上に重し(700~800g)をのせて焼く。
【2】とうもろこし1/2本は1cm幅の輪切りに、ブロッコリー1/3個(4房)は小房に分ける。
【3】【1】を12~13分焼いたら、空いているところに【2】を並べて入れ、2~3分焼く。
【4】鶏肉の皮がパリッとしたら重しを外し、肉を返して2分ほど焼き、とうもろこし、ブロッコリーとともに器に盛る。
【5】トマト1個はへたを取って1cm幅の輪切りにして同じフライパンに入れ、崩しながら焼き上げ、【4】に添える。仕上げに塩を振る。
6.簡単鶏チャーシュー
煮汁に漬け込みながら煮るだけで絶品!
「煮汁が冷めるまで放置するのがコツ。煮汁をかけて鶏チャーシュー丼にしてもおいしい! 煮汁から出して保存袋に入れれば冷凍で2週間ほど保存可能です」(清)
作り方(作りやすい分量)
【1】肉がぴったり入るくらいの鍋にしょうゆ大さじ4、砂糖大さじ3、酒大さじ2、酢大さじ1/2、鷹の爪2本、長ねぎの青い部分適量、しょうが1片、水1/2カップを入れて煮立てる。
【2】鶏胸肉1枚(約300g)の皮を下にして入れ3分煮る。上下を返して3分煮たら、ふたをして再度上下を3分ずつ煮る。そのまま30分置き、煮汁ごと保存袋に入れて冷蔵庫で保存する。
【3】食べるときはスライスし、白髪ねぎや和からしを添える。
★アレンジレシピ:すだち冷やし麺にトッピング
作り方(2人分)
【1】中華麺2袋は表示時間どおりゆで、水で洗い氷水で冷やして水気を切る。
【2】肉の煮汁大さじ8、水2 1/2カップ、すだち果汁1個分、鷹の爪2本、塩適量を混ぜ、冷やし汁を作る。
【3】器に麺と鶏チャーシュー適量を盛り、【2】の汁を注ぐ。すだち1個を半分に切り、氷、【2】に漬けた鷹の爪1本を各器に添える。
教えてくれた人
牧田善二さん/医学博士・AGE牧田クリニック院長
糖尿病の専門医として、延べ20万人以上の患者を診る。著書に『医者が教える食事術 最強の教科書』(ダイヤモンド社)、『最強の血糖値の下げ方』(KADOKAWA)など。
清水加奈子さん/管理栄養士・フードコーディネイター
国際中医薬膳師、調理師などの資格を持ち、栄養効果を重視したレシピを提案。ダイエットレシピの監修等も行う。監修書に『太らない食べ方 新装版』(エイ出版社)など。
山脇りこさん/料理家
東京・代官山で料理教室「リコズキッチン」主宰。食材を活かした何度でも作りたくなる家庭料理を提案。『毎日食べたい かんたん3×3レシピ』(ぴあ)など著書多数。
撮影/田中宏幸、 玉井幹郎 取材・文/近藤鈴佳
※女性セブン2022年8月4日号
https://josei7.com/
●ガッツリ食べて夏を乗り切る「豚のかたまり肉」7レシピ 野菜も一緒に摂れて見栄えも豪華