「息子が一緒に暮らす女性を紹介してくれない・・・」距離が縮まらない親子関係を悩む母に毒蝮三太夫がアドバイス|「マムちゃんの毒入り相談室」第90回
息子には一緒に暮らしている彼女がいるが、なかなか紹介してくれない。自分に悪いところがあったのか、どうすれば距離が縮まるのかと悩む55歳の母親。マムシさんは相談者の気持ちを汲み取りつつ「息子はもう大人なんだから、口出ししたくなってもグッと抑えよう」とあたたかく励ます。(聞き手・石原壮一郎)
今回のお悩み:「息子が一緒に暮らしている彼女を紹介してくれない」
どういうことなのかはさっぱりわからないけど、近ごろサイバー攻撃やら不正アクセスやらで大きな被害が出てるらしいな。ネットが発達して便利になったと浮かれていたら、まんまと足を救われたわけだ。オレにはそんなふうに見える。世の中全体がいったん立ち止まって、足元を見直したほうがいいのかもしれないな。
そんな意味も込めつつ、12月18日(金)は、タブレット純と井上順ちゃんをゲストに招いて「マムちゃんねるスペシャルトークLIVE冬」を開催する。場所は深川江戸資料館小劇場だ。年の瀬にたっぷり笑えば、いい新年を迎えられるよ。「笑う門には福来る」だ。
タブレット純とは、ついこのあいだ本も出したぞ。その名も『毒蝮三太夫の昭和芸能人咄』(山中企画)。著者であるタブレット純が訊き役になって、オレが昭和芸能人の懐かしい話、驚きの話を語りまくっている。「昭和」のパワーと面白さをたっぷり感じてくれ!
さて、今回は息子との関係に悩んでいる55歳の主婦の女性からの相談だ。
「30歳になる息子には、一緒に暮らしている女性がいます。結婚する気があるのかどうかわからないのですが、なかなか紹介してくれません。
私はかつて、息子のガールフレンドの悪口を言ってしまったことがあります。当時の自分は過干渉だったと、今では反省しています。しかし、息子は今でも私のことを『うるさい母親』と思っているらしく、隣りの市に住んでいるのにめったに帰ってこないなど、あまり交流を持とうとしません。
夫は『男の子なんてそんなもんだよ』と言いますが、息子と仲良しの友人を見ると羨ましくなります。これからどんな態度で接したら、息子との関係が改善できるでしょうか。アドバイスをお願いします」
回答:「息子の結婚相手は“ウチの嫁”じゃないよ。頭を切り替えて、ドンと構えよう」
まあ、これはねえ、紹介してくれなくても仕方ないよ。母親としては寂しいとは思うけど、今は「交際しているなら親に紹介して当たり前だ」という時代じゃない。逆に「結婚するのは自分たちなんだから、親は関係ない」と思ってるんじゃないかな。
まして、過去に母親にガールフレンドの悪口を言われたんだったら、慎重になるかもしれない。親を嫌ってるとか、そういうんじゃなくてね。ただ、悪口を言ってしまったことを後悔する必要はない。過干渉だったかもしれないけど、親の直感も大事だよ。現に息子さんは、そのガールフレンドとは別れて、別の人と一緒に暮らしてるんだよね。
オレたちの時代は、自分がいくら好きな相手でも、親がOKしなかったら結婚することはできなかった。真剣に付き合いたいと思ったら、まず親に会わせたもんだ。カミさんの前にも何人か家に連れて行ったガールフレンドがいたけど、親があんまりいい顔をしなかったこともあってそのうち疎遠になっちゃった。
ところがカミさんを連れて行ったときは、明らかに対応が違ったんだよな。あれこれ茶菓子を出してくるし、帰り際は「コレ持ってけ」なんてお土産を持たせてた。ウチの親はちゃんとした教育を受けてたわけじゃないけど、人を見る目はあったんだろうね。
今の感覚だと「親の顔色を気にするなんて」と笑われそうだけど、それはそれで意味があったと思ってる。その証拠ってわけじゃないけど、おかげでオレは最高のカミさんと結婚できた。なんてね。いつの間にかノロケ話になっちゃったな。ハハハ。
あなたは、えっと、55歳か。その世代だと、まだ「息子の結婚相手はウチの嫁」っていう意識が残ってるかもしれない。だとすると、親に彼女を紹介しない息子も彼氏の親に会おうとしない彼女も、理解できないし腹が立つよな。でも、今は息子の結婚相手は「お嫁さん」じゃない。頭を切り替えて、息子を信じてドンと構えていればいいよ。
そのうち機が熟せば、息子のほうから「彼女を親に会わせたい」と思うだろうし、彼女も「彼の親に会いたい」と思うはずだ。そしたら、せいいっぱい歓迎してあげればいい。心配なのはわかるけど、息子はもう大人なんだから、口出ししたくなってもグッと抑えよう。
今のあなたに必要なのは、息子との距離を縮めることじゃない。むしろ心理的な距離を遠ざけて子離れすることだ。「関係をよくする接し方」なんて考えてたら、それこそあなたが反省している「過干渉な親」になっちゃうんじゃないかな。相手を子ども扱いしないで、大人同士の付き合いをすればいい。親としての役目は、もう終わったんだから。
いつの日か息子たちといい関係を築くためには、何はともあれ、あなたが旦那と楽しく毎日を過ごすことが大事だ。まだ若いんだから、新しい共通の趣味を見つけてもいい。息子たちに「ああいう夫婦になりたい」と思ってもらうことを目標にしてみたらどうかな。悪くない目標だと思うよ。
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毒蝮三太夫(どくまむし・さんだゆ
1936年東京生まれ(品川生まれ浅草育ち)。俳優・タレント。聖徳大学客員教授。日大芸術学部映画学科卒。「ウルトラマン」「ウルトラセブン」の隊員役など、本名の「石井伊吉」で俳優としてテレビや映画で活躍。「笑点」で座布団運びをしていた1968年に、司会の立川談志の助言で現在の芸名に改名した。1969年10月からパーソナリティを務めているTBSラジオの「ミュージックプレゼント」は、現在『金曜ワイドラジオTOKYO 「えんがわ」』内で毎月最終金曜日の16時から放送中。90歳の現在も、ラジオ、テレビ、講演、大学での講義など精力的に活躍中。この連載をベースにしつつ新しい相談を多数加えた『70歳からの人生相談』(文春新書)が、幅広い世代に大きな反響を呼んでいる。10月26日には、タブレット純が毒蝮三太夫に昭和の芸能史を根掘り葉掘り訊いた『毒蝮三太夫の昭和芸能人咄』(タブレット純・著、山中企画刊)が発売! たちまち大好評!
「マムちゃんねる スペシャルトークLIVE 冬」も開催決定! ゲストにタブレット純、井上順、進行は長峰由紀。日時は2026年12月18日(金)18時開演(17:30開場)。場所は深川江戸資料館・小劇場。入場料4000円(税込・全席指定)。チケットのお問い合わせは「カンフェティ」http://confetti-web.com/@/mamuchannel TEL:050-3092-0051(平日10:00~17:00)。
YouTubeの「マムちゃんねる【公式】」も大好評!https://www.youtube.com/channel/UCGbaeaUO1ve8ldOXX2Ti8DQ
10月から新企画「マムちゃんの令和の江戸さんぽ」がスタート。第1回「バルタン星人と赤坂」が公開中!
石原壮一郎(いしはら・そういちろう)
1963年三重県生まれ。コラムニスト。「大人養成講座」「大人力検定」「失礼な一言」など著書多数。新著『昭和人間のトリセツ』(日経プレミアシリーズ)と『大人のための“名言ケア”』(創元社)が好評発売中。この連載ではマムシさんの言葉を通じて、高齢者に対する大人力とは何かを探求している。
