ケアマネの半数が「排泄関連の福祉用具」の相談に苦慮 課題は知識・経験の不足か【ケアマネジャーの意識調査】
高齢化に伴うニーズの急増に合わせ、福祉用具の種類や機能は日々拡大・多様化を続けている。介護が必要な人にとって最も身近な存在である福祉用具だが、その進歩の早さゆえに、最前線に立つケアマネジャーが対応に苦慮するケースも珍しくない。
株式会社インターネットインフィニティーは、同社が運営する「ケアマネジメント・オンライン」の会員508人を対象に、「利用者・家族からの福祉用具の相談」に関する意識調査を実施した。その結果、ケアマネジャーが抱える知識や経験の課題、そして現場で求められている情報の実態が浮き彫りとなった。
排泄関連や簡易浴槽に苦手意識か
利用者や家族から相談を受けた際、対応に困る福祉用具を尋ねたところ、最も多かったのは「自動排泄処理装置」で50.1%に達した。次いで「簡易浴槽」が45.4%、「排泄支援機器」が41.7%と続き、特に排泄関連の用具に対して苦手意識を持つケアマネジャーが多い実情が浮き彫りとなった。
一方で、「特殊寝台(介護ベッド)」や「特殊寝台付属品」、「手すり」、「車いす付属品」に関しては、対応に困ると回答したケアマネジャーは少数派であった。日常的な利用頻度が高い定番の用具については、比較的スムーズに対応できていることがうかがえる。
【相談されて対応に困る福祉用具(上位)】
・自動排泄処理装置:50.1%
・簡易浴槽:45.4%
・排泄支援機器:41.7%
・認知症老人徘徊感知機器:33.5%
・移動用リフト:25.1%
苦慮する最大の原因は「製品知識」と「導入経験」の不足
相談対応に困る理由を深掘りすると、上位に挙がった用具(自動排泄処理装置、簡易浴槽、排泄支援機器など)のいずれにおいても、共通した課題が見られた。
回答したケアマネジャーの約半数が「用具の詳細や品種を知らない」「対応経験が少ない」「実際に試したことがない」を選択した。技術の進歩によって登場した新しい機器や、利用頻度が限定的な用具については、現場のケアマネジャーが直接触れたり、導入に立ち会ったりする機会が不足していることが、苦手意識へとつながっている。
「歩行器」「手すり」は7割近くが商品名・メーカーを指定
福祉用具専門相談員へ連携する際、特定の商品名やメーカーを指定して相談することがあるかという問いでは、定番用具におけるケアマネジャーのこだわりが明確になった。
「よくある」「ままある」を合わせた指定割合は、「車いす」や「特殊寝台」、「床ずれ防止機器」で半数を超えた。さらに「歩行器」では7割余り、「手すり」でも7割近くのケアマネジャーが、具体的な商品名やメーカーを指定して相談していることが判明した。信頼性や使い勝手の良さが定着している定番品においては、ケアマネジャー主導での具体的な提案が行われている。
現場が求める情報は「スペック」よりも具体的な「使用事例」
ケアマネジャーが利用者や家族へ自信を持って福祉用具を紹介するために、どのような情報が求められているのだろうか。
調査の結果、最も必要性と指摘されたのは「使用事例」で、73.8%に上った。次いで「導入メリット(58.5%)」、「商品の使い方(52.5%)」、「価格(46.4%)」と続いた。
単なる製品の仕様(スペック)や価格だけでなく、「実際にどのような状態の人が使い、どう生活が改善されたか」という具体的なストーリー(使用事例)こそが、ケアマネジャーが選定・提案する際の強力な後押しとなっている。
【データ】
「利用者・家族からの福祉用具の相談」に関するケアマネジャーの意識調査
【調査概要】
調査期間:5月1日~5月13日
対象:ケアマネジメント・オンライン会員
有効回答数:508人
インターネットインフィニティーhttps://www.caremanagement.jp/の発表したプレスリリース(2026年6月8日)を元に記事を作成。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000256.000012000.html
図表/インターネットインフィニティー提供 文/介護ポストセブン編集部
