「介護職員の給料を10年で2倍に」玉木雄一郎代表のもと躍進した国民民主党の公約に注目
10月27日開票の衆議院選挙で、国民民主党は公示前から4倍となる28議席を獲得し、与野党間でのキャスティングボートを握る存在として一気に注目を浴びることとなった。不倫問題が発覚したものの代表続投となった玉木雄一郎氏の影響力が増す中、国民民主党の政策実行への期待が高まっている。
介護職員の給料を10年で2倍に。国民民主党が示す介護職支援の新たな指針
国民民主党の公約の中で特に注目を集めているのが「103万円の壁」引き上げだが、介護職員をはじめとする医療・福祉分野の給料倍増計画も見逃せない。国民民主党は「令和の所得倍増計画」を掲げ、その政策の中で以下のように掲げた。
<特に、公定価格が給料決定に影響を及ぼす 介護職員、看護師、保育士等の方々については10年で地域の実情を勘案しつつ給料を2倍にするとともに、地域手当の見直しを行います>
これは公約の政策各論の冒頭に記載されており、国民民主党がこの分野に対していかに力を注いでいるかがうかがえる。 また、処遇改善加算を通じて、直接的に賃金アップが実現される仕組みを構築するとしている。加えて、現在は都道府県ごとに異なる形で実施されているケアマネジャーの更新研修も廃止する方針を打ち出し、受講者の負担軽減を目指している。このように、介護職の待遇改善を中心に据えた政策は、国民民主党が独自の視点で介護分野に取り組んでいる姿勢を強く印象づけている。
他党の介護関連政策は?
他党も介護関連の政策を掲げているが、国民民主党の「10年で給料2倍」といった明確な数値目標を示す公約は少ない。自民党は「介護職員の処遇改善に誠実に取り組む」とし、処遇改善の方向性は示しているものの、賃上げの具体的な時期や規模については言及を避けている。立憲民主党は訪問介護報酬の引き下げの見直しを提案するなど、処遇改善の姿勢はあるが、賃上げのビジョンは短期的な対応にとどまっている。 他にも、日本維新の会は医療や介護分野のタスクシフトを進める方針を示しており、公明党も物価高に見合った賃上げを目指すとしているが、いずれも具体的な賃上げ目標には触れていない。
今後も国民民主党の動きに注目
国民民主党の「10年で給料倍増」という具体的な数値目標と長期的なビジョンは、他党の政策と比較しても際立っており、多くの介護職従事者や関係者から支持を集めている。しかし、給料2倍は財源の問題も含めて実現は簡単ではない。玉木代表の手腕が問われることになろう。
構成・文/介護ポストセブン編集部