梅雨時期のエアコンは冷房より<除湿>がおすすめの理由「電気代の違いや設定温度」ほか賢い使い方を解説
梅雨時期のいや~な湿気。この時期、エアコンを使う際には冷房と除湿、送風のどれを選べば快適に過ごせるのか。そもそも湿度とは何なのか――。梅雨時期に快適に過ごすためのエアコンの使い方を大手空調メーカーに直撃した。
梅雨時期は冷房より「除湿運転を」
「空気には、保有できる水分量(飽和水蒸気量)が決まっています。温度が低ければ保有できる水分量は少なく、高ければ多くなります。湿度計に表示される数値は、その部屋の空気が保有できる量に対する実際の水分量を割合(%)で示したものです」
とは、空調メーカーダイキン工業の広報担当・重政周之(しげまさちかし)さんだ。
同じ温度でも湿度が違うと感じ方が異なる。湿度が高ければ暑く、低ければ涼しく感じられる。曇っていてそれほど気温が高くないのに暑く感じるのは湿度が高いからだ。逆に室温28℃でも湿度が50%程度だと快適に感じられる。
「夏よりも気温が高くない梅雨時期は、湿度を下げれば涼しく感じられます。ですから、この時期は冷房運転よりも除湿運転をおすすめします」(重政さん・以下同)
快適な湿度は「40~60%」
では、快適な湿度はどのくらいなのか。
「一般的に湿度は40~60%が快適とされていますが、梅雨時期の湿度は80%以上に。60%を超えると結露やカビが発生しやすくなるので、エアコンの除湿運転で湿度の上昇を抑えましょう。
除湿の仕組みはまず、室内機が部屋の空気を吸い込み、熱交換器と呼ばれる部品で空気の温度を下げます。冷やされた空気が保有できなくなった水分(結露水)はドレンホースで外に排水します。水分が取り除かれた空気が吹き出し口から出て、部屋に再び戻されるため、湿度が下がる、というわけです」
冷房と除湿の電気代どっちが安い?
エアコンのリモコンを見ると除湿運転のスイッチを押した際、「マイナス2~プラス2」と表示が出る。
これは除湿運転をしながら、温度もコントロールできるという意味。除湿をしながら涼しい風も欲しいときは“マイナス”を押し、弱冷房除湿方式に。除湿をすることで肌寒さを感じたら“プラス”を押し、再熱除湿方式にする。
ちなみに、冷房より除湿の電気代の方が安いと思っている人が多いが、どちらも熱交換器を使用するため、一般的なエアコンであれば料金に差はないという。
除湿運転は気温に合わせて使い分けて
■弱冷房除湿方式(リモコンの「−」で設定)
弱めの冷房運転で室温を下げながら除湿する方式。室温がある程度下がると除湿運転が停止する。
■再熱除湿方式(リモコンの「+」で設定)
涼しい日でも室温の低下を抑えながら除湿できる。「弱冷房除湿方式」よりも消費電力がかかる。
エアコンと扇風機の間に洗濯物を干す
洗濯物の部屋干しの際、エアコンの除湿運転を活用する人は多い。効率よく乾かす方法も聞いた。
「扇風機やサーキュレーターをエアコンの対面に置きます。その間に洗濯物を配置。扇風機の風を洗濯物に当てて水分を追い出し、その水分をエアコンに回収させることで、洗濯物が早く乾きます」
部屋干しの場合、早く乾かさないとにおいの原因にもなる。ぜひ試してほしい。
取材・文/福島孝代 イラスト/飛鳥幸子
※女性セブン2024年6月6日号
https://josei7.com/
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