在宅介護の味方<訪問介護サービス>をアプリで呼べる「病院介助など必要なときに助かる」注目のサービス
遠距離介護や働きながら介護をしている人も増え、介護保険内のサービスだけでは手が足りないということも。そんなときに頼りになるのが自費による訪問介護サービスだ。新たに訪問介護スタッフのマッチングサービスがスマホの”アプリ”で使えるようになった。どんなことが可能になるのか、介護中の人にとって何が便利になるのかを解説する。
アプリで簡単に訪問介護の依頼が可能に
インターネットで簡単に頼める訪問介護・家事・生活支援サービス『Crowd Care(クラウドケア)』を運営するクラウドケアは、ホームIoTプラットフォームを開発・提供するリンクジャパンと連携し、スマートホーム統合アプリ『HomeLink』から訪問介護ヘルパーの派遣申し込みができる機能を実装したと発表した。
スマートホーム統合アプリと訪問介護ヘルパー事業との連携は、国内初の取り組みとなる(2024年1月リンクジャパン調べ)。
IoT機器によるハード面での見守りと、介護ヘルパーによるソフト面での支援を両輪として、住み慣れた住宅で介護施設と同様の価値が得られることとなり、まさに地域包括ケアシステムの実現となる。
クラウドケアは、経営陣自らが介護施設・事業所で培った業務経験を活かし、「住宅で介護施設同様のサービスを提供すること」を目的とした質の高い介護保険外の訪問介護事業に取り組んでいる。
一方、リンクジャパンではこれまで、「一生住み続けられる家」というコンセプトのもと、ナースコール、安否確認、空調室温管理など、スマートホーム機器を活用した住宅のヘルスケア分野に取り組んできた。
この両社が得意分野を生かし、超高齢化社会における高齢者の住宅難民問題、介護問題の解決へ相乗効果が期待できると協業に至った。
どんなことができるのか、以下で詳しく解説していく。
スマートホーム統合アプリ『HomeLink』に訪問介護を追加
『HomeLink』は、家の中の機器を管理・操作できるスマートホーム統合アプリ。自社製品のほか、多くの他社製品・サービスと住宅をリンクすることができ、「メーカーや製品ごとにアプリがバラバラで使いにくい」といった悩みを解決してくれるもの。
たとえば、「家に近づいたら照明をON」「室温23度に上がったらエアコンをON」「湿度が50%に下がったら加湿器をON」などの操作が可能。アプリの操作画面がシンプルなので高齢者にも使いやすくなっている。
これまでも『HomeLink』では、宅食サービスやオンライン診療など、暮らしを支えるさまざまなサービスと連携。 利用者の必要な機能を自由に組み合わせることで、高齢者の生活をワンストップでサポートできる仕組みだ(※各種サービス利用には、利用者自身による申し込みが必要となる)。
そんな『HomeLink』に、クラウドケアが提供する「訪問介護」の項目が新たに加わり、手軽に介護ヘルパーを依頼できるようになった。
訪問介護サービスの注目ポイント
アプリ『HomeLink』で使えるようになった『Crowd Care』とは、インターネットから訪問介護ヘルパーの派遣を依頼できるサービス。
介護保険外サービスの『Crowd Care』は、すべて自費となる。介護保険適用の訪問介護サービスとは異なり自由度が高い。利用者の希望や事情に応じて、公的な介護サービスでは対応できない幅広いサポートを24時間365日提供しているのが特徴だ。
また、定期依頼だけではなく、必要な時だけ頼む“スポット依頼”も随時受け付けている。
【具体的なサービス内容 (一例)】
・日常生活で必要な食事、トイレ、入浴、室内移動などの介助
・普段の診察での病院への付き添いや、入退院時の手伝い、入院中の院内介助
・家族不在時の夜間見守り、就寝介助、起床介助
・掃除、料理、洗濯、ゴミ出し、布団干しなどの家事代行
・買物、散歩、冠婚葬祭などへの付き添い、旅行への同行
【料金】
・訪問介護・家事・生活支援サービス:1時間あたり2750円~3300円(税込/交通費別)
・買物お助けサービス(買物代行):1ヶ所あたり550円(税込/交通費別)
・オーダーメイドサービス:希望に応じその都度見積り
こうしたサービスをアプリ上から依頼することが可能となる。
***
記者も母の病院付き添いなどで『Crowd Care』のスポット依頼を頼むことがあるが、今まではパソコンからネットで申し込んでいた。スマホのアプリで操作できるとなると、より便利になるだろう。鍵をかける、室温設定など家の管理もできるなら総合的な活用を考えたい。
【データ】
■クラウドケア
訪問介護・家事・生活支援マッチングプラットフォーム「Crowd Care」の運営。
https://www.crowdcare.jp/
■リンクジャパン
IoTプラットフォーム事業に関わる全ての製品・サービスを提供。
https://linkjapan.co.jp/
※クラウドケアが発表したプレスリリース(2024年2月6日)を元に記事を作成。
文/本上夕貴
●母親の通院に付き添える人がいない!そこで初めて介護保険「外」サービスを利用してみた! R60記者の実録ルポ