若返りのスイッチは腸に!実年齢より若いか老けているか「腸年齢チェック」で確認してみよう
青いキャンデーを食べると10才年を取り、赤いキャンデーを食べると10才若返り…腸はまるで手塚治虫『ふしぎなメルモ』のように、食べたもので“年齢”が変わるという。あなたの実年齢が何才でも、体の中はいくらでも若くなれるのだ。
腸の若さは腸内細菌の多様性で決まる
中年太りにシミ、しわ、たるみ、二重あご、そして白髪──見た目の老化は隠したり、食い止めたりすることはできても、巻き戻すことだけは決してできない。
だが、鏡でチェックできない「体の中」、すなわち腸の老化であれば、努力次第で若返ることが可能だ。
「腸の若さは、“腸内細菌の多様性”で決まる」と話すのは、江田クリニック院長で消化器専門医の江田証さんだ。
「具体的に“あなたの腸は何才です”と判断する方法はありませんが、実年齢よりどれくらい老けているかは、腸内細菌の数やバランス、それを左右する生活習慣などをチェックすることで、ある程度わかります。腸内細菌の種類が多いほど腸は若くなり、種類が減ると老けます。腸も年齢とともに老化し、特に60代以降は悪玉菌が増えやすくなる傾向にあるのです」
また便の状態によっても、腸内環境はある程度見分けることができる。
「便は、硬すぎてもやわらかすぎてもよくありません。理想は表面がなめらかで、バナナのような形をしていて、トイレの水に軽く浮くような状態です。硬くてコロコロしたウサギのふんのような便や、水様便は、腸内環境が乱れている可能性があります」
■腸年齢セルフチェックリスト
□ 排便後も便が残っている感じがする
□ いきまないと出ないことが多い
□ コロコロした便が出る
□ 時々便がゆるくなる
□ 便が黒っぽい
□ 便がくさい
□ 出た便が便器の底に沈む
□ 寝つきが悪い、寝不足ぎみ
□ 顔色が悪く、老けて見られる
□ トイレに行く時間が決まっていない
□ いつもストレスがある
□ 肌荒れや吹き出物が気になる
□ おならがくさい
□ 運動不足だ
□ たばこをよく吸う
□ 肉が大好き
□ ヨーグルトなどの発酵食品はあまり食べない
□ 食事の時間が決まっていない
□ 朝食は食べないことが多い
□ 朝食は食べるが、短時間で済ませる
□ 週4回以上外食をする
□ 野菜不足だ
0個当てはまる → 腸年齢は実年齢よりも若い!
1~4個当てはまる → 腸年齢は実年齢+0~5才
5~9個当てはまる → 腸年齢は実年齢+10才
10~14個当てはまる → 腸年齢は実年齢+20才
15個以上当てはまる → 腸年齢は実年齢+30才以上
腸の老化の問題点を専門医が解説
腸の老化によるいちばんの問題は、バリア機能の低下。腸内細菌の種類が減ることで、有害な細菌やそれらがつくる『LPS(リポポリサッカライド)』という毒素が腸から粘膜へ入り込みやすくなり、大きな血管や臓器、脳にも悪影響を与えます」(江田さん・以下同)
脳の次に神経細胞が多い腸は“第二の脳”ともいわれ、腸と脳は密接に関係している。そのため、腸内に毒素が多いと、認知症の発症率が上がる可能性も指摘されている。さらに近年では、腸が脳だけでなく筋肉とも影響し合う「腸筋相関」の可能性についても、研究が進んでいる。
「腸内環境が悪いと筋肉が落ちやすくなることがわかっている。一方、筋力がある人ほど腸炎が少ないという研究結果がある。若く健康な腸には酪酸菌が多く、この菌の出す『酪酸』が『HDAC』という筋肉を溶かす酵素の働きを抑え、筋肉の萎縮を防ぎます」
腸内細菌は、私たちが食べたものをえさにして増える。そのため、腸年齢を左右するいちばんの要因は食生活だ。
犀星の杜クリニック六本木院長で消化器病専門医の川本徹さんは、「脂質・糖質の多い食事や不規則な生活が、腸を老化させる」と指摘する。
「これまで多くの患者の腸内フローラを検査してきた中でごく数名、腸にビフィズス菌がほとんど存在していない人がいました。彼らの共通点は、不規則な生活。寝る時間や食事の時間がバラバラで、忙しさゆえにファストフードやジャンクフードばかり食べていると、悪玉菌が増加してビフィズス菌をはじめとする善玉菌が減り、腸が老けていきます」(川本さん・以下同)