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2020.11.19 06:00
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兄がボケました~若年性認知症の家族との暮らし「第68回 不憫な兄」
61才で若年性認知症の兄と暮らすライターのツガエマナミコさんが、2人の日常を綴る連載エッセイ。兄の症状の進行がこのところ気になるツガエさん。今回は不思議な言動が増えてきた兄の近況です。
「明るく、時にシュールに」、でも前向きに認知症を考えます。

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最近の兄の様子ですが…
「出かけるの? お客さん来たらどうしよう。ここのレジ使ったことないし、使い方わからないからさ。いいかな、開けなくても…」
最近、わたくしが仕事に出かけるとき、兄が言う台詞です。
当たり前ですが我が家にはレジスターなどありません。レジのオモチャも、レジに見えるような代物もございません。兄には「ピンポン鳴っても出なくていいから。居留守使ってね」と言って出かけます。
またあるときは「出かけるの? 行ってらっしゃい。今日もいつもの男の人が迎えに来てくれるんでしょう?」