ラジオで「脳トレ」 聴いた情報を書き出すと脳が鍛えられる
ラジオから聞こえてくるいつものあの人の声。聴くと元気になる軽快な語り口や、見えないからこそ想像力が刺激されるエピソードの数々はラジオの魅力その ものだ。でもラジオの力はそれだけじゃない。実は聴いているだけで、脳のトレーニングになる――って知っていましたか?
聞き間違いが増えた、話を聞き返す、一方的に話す…思い当たる人は
あなたは、1曲まるごと歌詞を見ないで間違わずに歌える曲があるだろうか。「ない」と答えた人は、最近聞き間違いが増えた、話をよく聞き返す、気がつくと一方的に話をしているといったことが多くなってはいないだろうか。
「そういう症状が見られるかたは、脳が『退化』しているかもしれません」と話すのは、脳画像診断医で「脳の学校」代表の加藤俊徳さんだ。胎児から100才を超える高齢者まで1万人以上の脳を診断し、「脳の使い方を脳画像から読み取れば、その人の生き方がわかる」と言う加藤さんは、人間の脳を機能別に8つに分け、「〇〇系番地」と呼んでいる。使っていない脳番地は50代から急速に退化するが、刺激を与えることで鍛えることができると話す。
聴覚系の”脳番地”を鍛えるには
「『脳番地』とは、同じような働きをする脳細胞の集まりとその脳細胞を支えている関連部位の総称です。思考系、感情系、伝達系、理解系、運動系、聴覚系、視覚系、記憶系に大別できます。脳には個性があって、人により脳番地の成長が違い、得意・不得意が分かれるんです。まるまる暗記している曲がなかったかたは、8つのうちの 『聴覚系』の脳番地が弱っている可能性が高いですね」(加藤さん)
他にも人の話が耳に入ってこない、記憶に残らない、寂しいと思う時間が増えた、なかなか新しいアイディアが浮かばない──といった悩みを持つ人も聴覚系が弱っている可能性があるのだとか。
「聴覚系脳番地を鍛えるには、とにかく意識的に注意深く耳を使うこと。具体的な方法としてはラジオを聴くことをおすすめしています。ラジオから流れる言葉を繰り返して言ったり、聴いた情報を思い出して書き出すと、いい脳トレになるんです」(加藤さん)
※女性セブン2017年6月29日・7月6日号