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暮らし

シニア世代のための《新しい墓参りスタイル》「心と体に負担をかけずに故人を偲ぶ“遙拝”も取り入れて」【家事アドバイザー提案】

 高齢になり、お墓参りが大変と感じている人も多いのではないだろうか。「無理して何度も通うのではなく、体調や季節に合わせて自分に合う方法を選び、自分のペースで故人に思いを寄せることもひとつの方法です」と、家事アドバイザーの矢野きくのさん。心と体の負担を減らす「これからのお墓参り」の工夫を教えてもらった。

この記事を執筆した専門家

節約・家事アドバイザー・矢野きくのさん

家事の効率化、家庭の省エネを中心にテレビ・講演・連載などで活動。NHK『ごごナマ』準レギュラー他テレビ出演多数。新聞での連載のほか自動車メーカー、家電メーカーなどの企業サイトでコラムの執筆経験も。近年は中高年層の家事アドバイスや家庭でできるSDGsについての講演、SNSでの情報発信でも活動している。著書『シンプルライフの節約リスト』、『「節電女子」の野菜レシピ!』など。https://yanokikuno.jp/

お墓参りがしんどくなってきた…

「お墓参りには、年に何回行かなければならないのだろう」「最近、足腰やお墓までの道のりが少し負担になってきた…」

 このように、お墓参りに行きたい気持ちはあるものの、年齢を重ねるにつれて、プレッシャーや身体的な負担を感じていらっしゃるかたは少なくありません。

 お墓参りは本来、ご先祖様や故人に心を寄せ、穏やかな時間を過ごすための大切な行事です。「こうでなければならない」という型に囚われすぎて、ご自身が疲れてしまっては本末転倒です。

 今回は、心も体も軽くなり、ご自身のペースで心地よく続けられる「これからの安心なお墓参りスタイル」をご紹介します。

無理なく安全に! 身体の負担を減らすお参りの工夫

 いざお墓参りに出かけるとなると、体力面や暑さ・寒さへの対策が欠かせません。少しの工夫で、お参りはグッと楽になります。

季節と時間帯の選び方

 特に気をつけていただきたいのが、近年の厳しい気候です。真夏や真冬の過酷な時間帯にお墓参りをするのは、シニアの体にとって大きなリスクを伴います。

夏場は避暑を最優先に

 日中の最も暑い時間帯を避け、午前中の涼しいうちに済ませるか、気候が比較的穏やかになる夕方近く(熱中症には注意)に短時間で行いましょう。

冬場は足元に注意を

 朝晩の冷え込みで凍結した階段や参道は滑りやすく大変危険です。日が出て、霜や雪が溶けた時間帯を選ぶようにしてください。

重い荷物を減らす工夫を

 お墓参りには、お花、線香、お水、そしてお掃除道具と、何かと荷物がかさばりがちです。重い荷物を抱えて長距離を歩くのは、腰や膝への大きな負担になります。

お花や小物は現地調達を

 最近では、霊園の管理事務所や近くのスーパー、お花屋さんでお墓用の切り花や線香が販売されていることが増えています。荷物を減らすために、現地で調達できるものは現地で揃えるのが賢い方法です。

お掃除道具のシェアや常備

 毎回バケツや道具を持っていくのではなく、もし可能であればお墓の近くの物置に私物を置いておく(許可されている場合)、あるいは霊園で貸し出している柄杓やタワシを活用しましょう。

お墓参りの代行サービスを検討する

 プロの代行サービスや管理費の見直しも視野に入れてみてはいかがでしょうか。 「もう自分たちでは草むしりや管理が難しい」と感じたときは、信頼できる「お墓参り・清掃代行サービス」を利用するのも現代の賢い選択肢です。

 また、遠方で今後のお墓の維持が心配な場合は、管理会社や寺院に相談し、今後の管理費の仕組みや、将来を見据えた選択肢について話を聴いてみるのも一つの安心材料になります。

墓参りに「行けない自分」を責めなくて大丈夫

 お彼岸やお盆、お正月、故人の命日など、「お墓参りには必ず行かなくては」という義務感に縛られていませんか? 遠方に住んでいたり、天候や体調が優れなかったりして、予定通りにお墓参りができないと、なんだか申し訳ない気持ちになってしまうこともあるでしょう。

 ですが、ご先祖様が一番望んでいるのは、何よりも子孫であるあなたが健康で、穏やかに毎日を過ごしていることではないでしょうか。「行けるときに行く」「元気なときに行く」という心の余裕を持つことが、何よりの供養になります。

自宅から心を向ける「遥拝(ようはい)」のすすめ

 どうしてもお墓に行けない日や、体力的に外出が難しい季節には、「遥拝(ようはい)」という方法を取り入れてみてはいかがでしょうか。

 遥拝とは、遠く離れた場所からお墓や神仏の方角に向かって、心を込めて手を合わせて敬う方法です。「遠く離れていても、いつも見守ってくれてありがとう」と自宅の仏壇の前やリビングで静かに祈るだけでも、その想いは必ず故人に届きます。形や頻度にとらわれず、「心を向けること」そのものを大切にしましょう。

***

 冒頭でも触れましたが、お墓参りは、こうでなければならないという「義務」ではありません。何よりも大切なのは、故人を偲び、ご自身の心穏やかな時間を大切にすることです。

「今日は天気が良いから、お花を買って少しだけ顔を出そう」 「今月は現地には行かず、自宅からゆっくり手を合わせよう」。このように肩の力を抜き、ご自身の体調やライフスタイルに合わせた「これからの新しいお墓参り」を考えてみてはいかがでしょうか。

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