「墓じまいに100万円かかる?」子供がいない、実家の墓を継ぐ人がいない…専門家が教える賢い整理術と「樹木葬」の選択肢
厚労省がまとめた2025年の人口動態統計によれば、1人の女性が生涯で産む子供の数は1.14と過去最低を更新した。進む少子化は、墓事情にも影響を与えている。墓じまいはどのタイミングで誰が行うのか──読者からの質問をもとに、専門家が解決策を提案。似た状況の人は参考にしてほしい。
Q.義理の姉が継いだ実家の墓。継ぐ人がいない場合はどうする?
千葉県在住のMさん(65才)は、子供がいないおひとりさま。継ぐ人のいない実家の墓には入れないことを最近知り、親の墓と自分の墓を今後どうすべきか、悩んでいるという。
「私の父(享年78)は東北地方出身で次男であったため、母(享年73)と相談して、墓はいずれいまの家(千葉県)の近くに買おうと決めていたようです。
ところが実際にお墓を購入したのは父が他界してから。母は、私や兄がいつでも墓参りができるようにと、実家から車で20分のところにある霊園を選んでくれました。しかも墓石は高級な本小松石。当時は私も“将来はこんなに立派なお墓に入れるんだ”と思っていました。墓の完成からわずか1年後には母も他界。5才年上の兄の家族も私も、頻繁に墓参りをしました。
5年前、その兄も急逝。義姉が実家と実家の墓を管理することに。兄夫婦には娘が2人いますが、2人ともすでに嫁いで別姓になっていて、実家の墓を継ぐ気はないそうです。義姉はというと、お墓については管理費さえ払い続ければ問題ないと、先のことまで考えていないようです。
かくいう私も少し前までは、死んだら実家のお墓に入ればいいと考えていました。けれども、〈最後にお墓に入る人がおひとりさまで、継ぐ人がいない場合、墓には入れない〉とテレビで見てびっくり。となると、もし義姉が先に逝った場合、私には入るお墓がありません。姪たちが墓を継がないとなると、義姉もお墓に入れないと思うのですが、私か義姉で墓じまいをして、自分用の墓を新たに建てないといけないのかと、とても焦っています。
墓じまいには100万円以上かかるとも聞きました。年金生活の私には大きな負担になりますし、とても不安です」
【専門家がアドバイス】義姉と協力して墓じまいをし「樹木葬」を選択しては?
「義姉さんには娘さんがいるのでおひとりさまではありませんし、Mさんも既存の墓の規則によっては入れる可能性があります。墓じまいに100万円もかかるケースはまれですが、いずれにせよ、2人の亡きあと、姪御さんたちに墓じまいの問題が起こるのは確かです。
事前に解決しておくには、義姉さんと話し合い、人気の永代供養つき都市型樹木葬などに改葬するなど、検討してみるのはどうでしょうか」(NPO法人終活サポートセンター理事長・水上由輝徳さん・以下同)
Q.夫婦で守ってきた3基の墓を整理したいが金額負担が大きくて…
都内在住のWさん夫婦(共に57才)は、それぞれの親が他界してから、3基もの墓を管理してきた。
「夫の両親は離婚して別々の墓に入っているので、私の実家の墓と合わせると、夫婦で3基もの墓の名義人になっています。夫婦共に一人っ子のため、仕方のない選択でした。
お彼岸になると車で3つの霊園を回るのは大変だし、管理費もばかになりません。とはいえ、私たちは共働きで子供もいませんから、墓の管理くらいはと、がんばってきました。
お互いの定年が迫り、そろそろ自分たちの老後について考えようと話し合ったとき、墓じまいの話になりました。なにせ私たちには後継者がいないので、3基の墓を持っていてもどこにも入れません。墓じまいには相当な金額がかかりそうです。どうしたらなるべくお金と手間をかけずに手放せるか教えてください。行政の補助金制度などはないのでしょうか」
【専門家がアドバイス】自治体によっては期間限定の支援制度も
市区町村や公営霊園よっては、条件つきで墓石の撤去等に対する補助金・助成金制度を設けているところもある。
「熊本県益城町のように2016年の熊本地震で被災した共同墓地の復旧に関する費用を補助する(2026年11月まで)といった支援事業を行っている例もあります。自治体で公告していても知られていないことがあるので、自ら調べたり問い合わせたりすることが大切です。最終的には、ご夫婦がご先祖さまと一緒に入れる納骨先を探すのがおすすめです」
◆教えてくれた人:NPO法人終活サポートセンター理事長・水上由輝徳さん
改葬、墓じまい、死後事務委任契約を中心に、終活に関するさまざまな悩みに対応。これまでに5万件以上の相談実績を誇る。終活を学ぶための講義形式の相談会「終活大学」なども開催。
取材・文/上村久留美
※女性セブン2026年10月15日号
