猫が母になつきません 第489話「きしょうする」
バタバタ、バタバタ、2匹の猫がベッドのまわりを走り回っている音で目が覚めます。いつもしばらく布団に入ったまま音だけ聞いているのですが、どうやらベッドの上に上がりたい隊長と、ベッドの上は自分の縄張りとして上がらせたくないさびの攻防のようです。さびは本気なのですが、隊長のほうは遊んでもらっているようなもので楽しくなって、ベッドの下に隠れてベッドカバーの隙間からちょっかいを出したりしてさびを怒らせている。隊長はだいぶ成長してきたので、さびも手加減しなくなっています。私が起き上がるとゲームは終了、2匹とも「はやくごはんを」のモードにきり変わります。起こされるのは不思議なくらい毎朝7時で、目覚ましのアラームをかけなくなりました。
以前はぐれと隊長が走り回っていましたが、ぐれがいなくなって今はさびが走らされています。私と二人だけの生活の時、さびはあまり動きませんでした。実家にいたころは庭に出ていたのである程度運動はできていただけに、引っ越してからの運動不足は気になっていました。しかし子猫がいるだけでさびは走り、私もさびがやらなくなっていたじゃらしで遊ばされたりしてなんだか忙しく、いやがおうにも活気が生まれます。さびは今年13歳。猫の13歳は人間換算で約68歳なので私は少しさびに歳を追い越されています。静かに暮らしていた60代のひとりと1匹は、お転婆に育った子猫のエネルギーに動かされ、毎日元気をもらっています。やっぱり隊長は隊長なのでした。
作者プロフィール
nurarin(ぬらりん)/東京でデザイナーとして働いたのち、母と暮らすため地元に帰る。ゴミ屋敷を片付け、野良の母猫に託された猫二匹(わび♀、さび♀)も一緒に暮らしていたが、帰って12年目に母が亡くなる。猫も今はさびだけ。実家を売却後60年近く前に建てられた海が見える平屋に引越し、草ボーボーの庭を楽園に変えようと奮闘中(←賃貸なので制限あり)。
