猫が母になつきません 第426話「たたかう」
チガヤは「世界最強の雑草」と言われることもある植物で、地中で根っこをどんどん伸ばしていくので上の葉っぱの部分を刈ってもまたすぐに生えてきてしまう。しかも根にはほかの植物が生えるのを妨害する成分が含まれているのだとか。すごい生存戦略。チガヤの駆除方法をいろいろ調べましたが、除草剤を使わないのであれば「とにかく根っこから抜く」しかないという結論。
芝生を植えていたと思われる庭は、引っ越してきたときには雑草と苔に覆われており、芝生は部分的に残っているだけでした。この一年、雑草を抜き、夏には水撒きをかかさず、伸びていく場所を広げていった結果、芝生ははっきりと存在感をしめすまでに。春がくればもっと元気になるはず。しかし気になっていたのは玄関側に生えているチガヤ。今はまだ芝生エリアには伸びてきていないようだけど、侵入してくるのは時間の問題です。それは避けたいと、春が来る前にこの「世界最強」と闘うことにしたのです。
地中に隠れている茎と根っこはとんでもない量で、ほとんど芋掘りでもしているような感覚。それでもやっているとだんだん根っこを掘り出すことに取り憑かれて、時間を忘れてざくざく堀り堀り。気がつくと根っこの山。チガヤの根茎は生薬名をボウコン(茅根)といって利尿薬や消炎薬,止血薬になるそうです。庭仕事をするといつも植物は地球上で最強の生き物だと感じます。だまっているけど、とんでもない強さを持っている。こちらの武器は根気しかありません。根だけに(笑)。世界最強は闘いがいがあります。
作者プロフィール
nurarin(ぬらりん)/東京でデザイナーとして働いたのち、母と暮らすため地元に帰る。ゴミ屋敷を片付け、野良の母猫に託された猫二匹(わび♀、さび♀)も一緒に暮らしていたが、帰って12年目に母が亡くなる。猫も今はさびだけ。実家を売却後60年近く前に建てられた海が見える平屋に引越し、草ボーボーの庭を楽園に変えようと奮闘中(←賃貸なので制限あり)。