感染症の専門医が実践する風邪の治し方「薬はほぼのまず体を休める」&4つの方法
寒さがよりいっそう深まる冬。この季節は体が冷え免疫細胞が不活発になるため、免疫力が低下して風邪のようなウイルスによる感染症にかかりやすくなる。もし鼻水、のどの痛み、咳など風邪の症状が出始めたらどのように対処すべきだろうか。感染リスクを減らすための「感染対策」と長引かせない「風邪の治し方」を医師に聞いた。
教えてくれた人
藤友結実子さん/国立国際医療研究センター病院・AMR臨床リファレンスセンター情報・教育支援室長。専門分野は臨床感染症、感染対策、呼吸器疾患。
風邪を早く治すにはどうしたらいい?
風邪をひいたら薬をのむ。当たり前だと思える行動だが、薬ののみ方によっては、それが“逆効果になる”ことがあるという。
「風邪は<コモンコールド>といい、世の中でいちばん多い病気です。原因はウイルスなので、細菌に効く抗菌薬(抗生物質)は風邪に効きません」
そう話すのは、国立国際医療研究センター病院AMR臨床リファレンスセンターの医師・藤友結実子さんだ。
熱・鼻・咳「風邪の症状の経過」
風邪をひいた後、熱・鼻・咳の症状は、一般的な経過では、1週間もすれば、だいぶ回復してくる。
鼻やのどの粘膜にウイルスが感染すると、熱・鼻・のど・咳の症状が出るが、熱は3~4日で、鼻・のどは7~10日で回復する。咳はそれらより多少長引き、回復までに数週間かかるのが一般的な傾向だ。
「風邪は、ふだん健康な人であれば、無治療でも自然寛解する疾患なので、薬に頼りすぎず、よく寝て、栄養摂取と水分補給を心がけるのがいちばんです。私自身、風邪をひいても薬はほぼのまず、体を休めます」(藤友さん・以下同)。