「要支援2と要介護1の分かれ目は?」今さら人に聞けない【介護保険】の基本を社会福祉士が解説
「介護保険サービス」の基本をInstagramで発信している社会福祉士のライトさん。知っているようで知らない介護保険の制度を誰でもわかる言葉で解説する内容が支持され、2万人を超えるフォローワーがいる。介護ポストセブンでもその一部を公開。突然始まる介護に備えて、介護の基礎知識を学ぶシリーズ、今回は要支援・要介護といった「介護度による違い」について解説する。
Instagram「light_kaigo」https://www.instagram.com/light_kaigo/?hl=ja
人気インスタグラマーのライトさんが「介護度が違うと何が変わるの?」について解説!
突然始まる介護に備え、介護のもっとも基本となる介護度をあらわす「要支援、要介護」の意味を抑えておこう。今回は「介護度が違うと何が変わるの?」について、9枚のスライドで解説。縦にスクロールしてお読みください。あわせてテキストによる解説も掲載しているので、復習としてお読みください。それではスタート!
介護度が違うと何が変わるの?
介護保険サービスを利用するためには介護認定が必要になります。
要介護、要支援ってなんとなく知ってるけど、実際何が違うのかわからない方のためにまとめてみました。
要支援・要介護とは
【要支援】
基本的には一人で生活できる状態だが、部分的な介助が必要である。
【要介護】
運動機能の低下だけでなく、思考や理解力の低下がみられる。
「日常生活の中でどの程度の介護が必要か介護の必要度合いをあらわすものだよ」
要支援の目安
【要支援1】
基本的には一人で生活できる状態だが、日常の複雑な動作には部分的な介助を必要とする。
適切な介護や支援を受ければ、要介護状態への予防が見込まれる。
【要支援2】
基本的には一人で生活できる状態だが、要支援1と比較して、日常の複雑な動作に解除を必要とする場面が多くなる。
適切な介護や支援を受ければ、要介護状態への予防が見込まれる。
「”要介護状態への予防が見込まれる”と言う点が共通しているよ」
要介護の目安
【要介護1】
基本的に一人で生活できる状態だが、要支援2と比較して運動機能のさらなる低下だけでなく、思考力や理解力の低下、問題行動がみられることがある。
【要介護2】
食事や排せつなど基本動作でも部分的な介助が必要な状態で、要介護1よりも思考力や理解力の低下、問題行動がみられることがある。
【要介護3】
基本動作だけでなく全面的な介助が必要な状態で、思考力や理解力の低下、問題行動がみられる。
【要介護4】
全面的な介助が必要な状態で、要介護3と比較してより思考力や理解力の低下、問題行動がみられる。
【要介護5】
介護なしでは生活できない状態で、意思の疎通も困難である。
サービス量の違い
介護の必要な度合いが高くなると、介護保険で使える一ヶ月あたりのサービス量が多くなります。
(介護が必要な度合いは要支援1から順に高くなる)
要支援1 50,320円
要支援2 105,310円
要介護1 167,650円
要介護2 197,050円
要介護3 270,480円
要介護4 309,380円
要介護5 362,170円
「区分支給限度額というよ」
利用できるサービスが変わる
要介護は介護サービス、要支援は介護予防サービス、特養への入所は要介護3以上、車椅子や介護ベッドのレンタルは要介護2以上などなど、受けられるサービスの量だけでなく、サービスの内容も変わります。
「状態に合ったサービスが利用できるようになっているよ」
要支援2と要介護1の分かれ目
「状態の安定性」と「認知症の程度」この2つで要支援2と要介護1がわかれます。
【状態の安定性】
介護料の増加につながる変化が発生するかどうか。
【認知症の程度】
「認知症高齢者の日常生活自立度」という高齢者の認知症の程度を踏まえた日常生活自立度の程度を7段階で評価します。
「要支援と要介護の壁はデカい」
介護度の決まり方
主治医意見書と認定調査の内容によって一次判定があります。
その後、介護認定審査会が開かれて介護度が決まります。
「一次判定はコンピューター判定だよ」
ライトさんからメッセージ!
介護保険は、申請主義です。申請の希望があれば、どなたでも(被保険者であれば)申請することができます。
逆に、申請しなければサービスを利用することができません。まずは、地域包括支援センターへ相談してみましょう。
認定調査の内容で、介護度が大きく変わることがあります。適切な介護度となるようにポイントを押さえて調査を受けましょう。
認定調査時のポイントについては、また次回!
次は12月4日(日)公開予定です。
教えてくれた人
ライトさん/社会福祉士
Instagramで「ライト@介護保険のスペシャリスト」として情報を発信中。「複雑でわかりにくく、3年ごとに改正される介護保険を誰にでもわかりやすく伝えたい」という熱い思いを胸に、2021年夏頃からInstagramを開始。現在、2万人を超えるフォロワーに指示される。モットーは「世界一わかりやすく解説」すること。昼間は地域包括支援センターの社会福祉士として働きながら、夜はInstagramを更新する日々。私生活では3人の子供を育てるパパの顔も。https://www.instagram.com/light_kaigo/?hl=ja