《新指標は「リペア力」》『抗疲労∞抗老化』トータルリペアプロジェクトが発足 健康長寿の社会の実現を目指す
インテグレーテッドヘルスサイエンス株式会社が、5月12日に東京・日本橋コングレスクエアにて『抗疲労∞抗老化』トータルリペア(TM)プロジェクト発足セミナー&記者発表会を開催した。
世界初の「抗疲労∞抗老化」トータルリペアプロジェクト
本プロジェクトを企画する同社は、約30年にわたり疲労と老化に共通するコアメカニズムを解明し、「抗疲労」と「抗老化」を同時に実現する方法を探求してきた。疲労と老化は、酸化・抗酸化バランスの乱れや糖化などの共通要因により、全身の細胞機能が低下することで起こる。
そこで本プロジェクトでは、これらを統合的に測定し、特にこれまで十分に可視化されていなかった「修復力(リペア力)」の計測の必要性を唱え、新たな健康指標として「トータルリペア」を提唱している。
同社の代表取締役 CEO・渡辺恭良氏は、これまで別物と考えられてきた日々の疲れ(疲労)と加齢(老化)のメカニズムが非常によく似ていることから研究を進め、「疲労によって起こる変化を抑えていくことがアンチエイジングにつながる」ことがわかったと語る。
多くの専門家がこれらの関連を感じているが、トータルリペアを主軸とした研究は進んでおらず、本プロジェクトが世界初になるという。
「『抗疲労∞抗老化』トータルリペアプロジェクトは、世の中の役に立ちながら健康寿命の取り組みを延伸していくことを大きな目標としています」(渡辺氏・以下同)
健康から外れないように対策をするのが「トータルリペア」
「修復力(リペア力)」として数値化・可視化されるのは、体のサビと呼ばれる酸化・糖化、 活動・生命維持・発育のエネルギー・ATP(アデノシン酸リン酸)不足による修復エネルギーの低下、体内の慢性炎症、自律神経の乱れの4つで、細胞内のミトコンドリアが作るエネルギーがどれだけ体の修復に回されているかを重視して評価する。
「健康診断というのは”あなたは糖尿病に近いですよ”など病気の発症診断に近いんですね。皆さんの健康の具合をちゃんと表している診断にはなっていないんです」
つまり、このままだと病気になってしまうという健康から外れた状態になってようやく診断が出て対策をするのが健康診断ということ。そうではなく、健康である状態から外れないために対策をするのが「トータルリペア」の考え方だ。
疲れを数値化し、病気発症のリスク前の健康の質を評価する「トータルリペア」を、健康状態の改善や維持に有効な指標として役立てることを目標に、さらなる研究が進められているという。
日本人の80%以上が「疲れている」
日本リカバリー協会が日本疲労学会、ベネクスと共同で2017年から実施している、インターネット大規模調査「ココロの体力測定」の実施結果(2025年4月25日から5月25日)をまとめた「日本の疲労状況」によると、80%以上の人たちが「疲れている」という結果となった。
「元気な人が少ないということですね。しかも若年層で非常に厳しい疲労が起こっています」と渡辺氏。
渡辺氏によると、疲労のリペアが遅れることによって、慢性疲労が回復しにくく、また老化のスピードが早くなることが考えられるという。若年層が慢性疲労を放置することは、早い時期から老化が進行することにつながると警鐘をならす。
「年を取るとどんどんATP(活動・生命維持・発育に使われるエネルギーで修復エネルギーと呼ばれるアデノシン酸リン酸)生産量が少なくなっていきます。すると、活動と生命維持にほとんど使われてしまって、修復が行われなくなるため老化が進んでいくことになります」
修復のために体が必要とするATPの産生には、車におけるガソリンの役割を果たす糖・脂肪だけでなくビタミンB1、CoQ10、クエン酸、酢酸などの栄養素がそろっていることが重要だという。
そして、その補填のためのサプリメント開発など、リカバリー市場を世界に向けていくことが日本の大きな財産になると考えていることを明かした。
「参画された企業さんと一緒にそういうセットメニューを作ろうというマッチング、あるいは共同での新製品の開発をグローバルに展開していきましょう、というのがこのプロジェクトの目標です」
セミナーではほかに、インテグレーテッドヘルスサイエンス取締役 CTO/CFO・水野敬氏や日本トリム代表取締役社⻑・田原周夫氏の講演、早稲田大学ナノ・ライフ創研究機構規範科学総合研究所・矢澤一良氏、国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 医薬基盤研究所 副所⻑・國澤純氏、健康医療ジャーナリストで日経BP総合研究所 社会課題研究所 客員研究員の⻄沢邦浩の3人によるパネルディスカッションなどが行われた。
取材・文/介護ポストセブン編集部
