「恋水」「瓢虫」「寿し」なんて読むかわかりますか?最強の脳トレ
いまから約3300年前に中国で誕生した漢字は、古代文字だった。日本に伝来したのは弥生時代。そこから長い時間を経て現在のような形になったのだ。ここで挑戦するのは、そんな漢字の文化と歴史に基づく問題、早速チャレンジしてみよう!
この漢字の読み方は?|難易度:★★★☆☆
【問題】
漢字にはそれぞれ意味があり、音読みと訓読みがある。しかし、これまでの歴史の中で当て字も多く生まれている。ここでは漢字の違った読み方を考えてみよう。
【解答】
【1】ハイカラ
「ハイ」は高い、「カラ」は襟を指す。夏目漱石や森鷗外もこの当て字を用いている。
【2】なみだ
古写本によく登場する。「変水」を写し間違えたという説があり、これは若返りの水という意味で「おちみず」と読む。
【3】せり
競うという意味だが、「うりよね」とも読み、穀物を売りに出すことを指す。
【4】おきゃん
「俠」を「きゃん」と読むのは中国王朝の宋代(960~1279年)以降に日本に伝わった読み方。
【5】なぶる
「嫐(うわなり)」は後妻を意味し、「なぶる」はいじめる状況を表している。
【6】きゃしゃ
江戸時代には「華奢」以外に、「花車」や「華車」も使われていた。
【7】えびぞう。
五代目市川團十郎が「鰕は天鰕(ザコエビ)の意味で、祖父や父親の海老には及ばない」と改名した。
【8】てんとうむし
ひょうたんのような形をしていることに由来する。
【9】ふっそ
ドイツ語のフッ素を意味するFluorを音読みし、漢字を当てたもの。
【10】むしる
毛を少なくする行為から日本で作られた国字。
【11】セキセイインコ
背中が黄色、体が青(緑)色をしている鸚哥(インコ)という意味から。
【12】いのちながし
「命長し」という意味で、いまでも漢詩や俳句で用いられる。
カッコ内の文字の意味は?|難易度:★★☆☆☆
【問題】
初めて見るような漢字や熟語も、形や組み合わせでなんとなく、「こんな意味かな?」とわかってくる。洒落っ気の利いた日本人がこれまで作ってきた漢字の意味を考え、答えてみましょう。
【解答】
【1】こい(恋)
カタカナもひらがなもなかった時代に当てられた。恋い焦がれて悲しくなる気持ちを表している。
【2】げっぷのこと
「おくび」と読み、胃の中にガスがたまった状態を指す。
【3】ごりおし
川底に休んでいる魚の鮴(ごり)を捕まえるには力がいることから、強引に何かをすることをこう言うようになった。
【4】成人式のこと
昔の中国では15才や20才で元服したときに冠を被ったことから。
【5】人を驚かせる声
「コク、ワク」と読む。門に身を隠して人を驚かせる様子を表現。
【6】ポンカン
上部が突起していることから。漢字では、「椪柑」とも書く。
【7】おでこ
夏目漱石は小説『行人(こうじん)』でこのように表記した。
【8】ショート
明治の歌人・正岡子規が訳した言葉とされる。
ご当地漢字クイズ|難易度:★★★☆☆
【問題】
日本の中には、その土地特有の方言があるが、地名にも独特のものがある。ここでは、その土地の人には当たり前でも、ほかの土地で暮らす人には難しい“地名”の読み方を答えましょう。
【解答】
【1】こうさい 「幌」は音読みでは「コウ」。
【2】べこさか 牛を「べこ」と呼ぶから。
【3】おおはけ 「岾」を「はけ」と読むのは埼玉だけ。
【4】よこのまい 「馬」を「まい」と読ませる。由来は不明。
【5】おおぬた 「垈」は湿地帯や沼地の田んぼを意味し、「沼田(ぬた)」と読むことからきたという説がある。
【6】せんがたき 山梨県を代表する景勝地の1つ「昇仙峡」にある滝。
【7】なぎつじ 「椥」は「なぎ」という木を表す。
【8】しではら 「椣」は植物の「シデ」の漢字。
【9】さかり 女ざかりが18才という説からきているともいわれるが、定かではない。
【10】しょうほくだい 「淞」は宍道湖を擁する松江の「松」に「さんずい」をつけたものと推測される。
【11】おとなぶん 「咾」を「おとな」と読むのは、「口が老いる」からと考えられる。
【12】たまうどぅん 琉球王族の邸宅「御殿(うどぅん)」に由来する。
参考文献:『漢字は生きている クイズ120問』(東京新聞)、『謎の漢字』(中央公論新社)、『訓読みのはなし 漢字文化と日本語』『方言漢字』(角川ソフィア文庫)
クイズ制作:笹原宏之さん
早稲田大学大学院教授、日本漢字学会理事。近著は『漢字は生きている クイズ120問』(東京新聞)。取材・文/廉屋友美乃 イラスト/田中斉
※女性セブン2021年2月18・25日号
https://josei7.com/