女性がひとり安心・安全に暮らす高齢者向け住宅のお部屋を大公開!
老いはどんな人にも訪れるもの。その時のために暮らし方や生活スタイルを変化させて備えておきたいが、変化させるタイミングがなかなか難しい。そこで、実際に行動に移した女性の経験を伺った。
高齢者向け住宅で安心・安全に暮らしているという、隠居見習い・真藤眞榮さん(71才)。どのように準備をし、生活を送っているのかを紹介してくださった。ポジティブに日々を過ごす姿が印象的だ。
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快適さに感動する毎日
生まれてから約70年間、東京・赤坂で暮らしていた真藤さんが、郊外にたたずむ高齢者向け住宅への移住を決めたのは昨年のこと。在宅介護の末に母を看取り、自分の老後について考えるようになったタイミングで、知人から部屋に空きがあると聞き、興味を持って見学へ。すると、建物に隣接する緑豊かな公園と、富士山を望める眺望のよさが気に入り、“ご縁と第六感”で入居を決めた。
「『高齢者用住宅なんてまだ早い』という友人もいましたが、たとえば、ひとり暮らしでジャムの瓶のふたが開けられないときに、近所の人に頼みに行くのは気が引けますよね。ここなら24時間フロントにスタッフがいるので、とっても心強いのです」(真藤さん・以下同)
築32年の物件のためリフォームを行い、今年4月から住み始めたが、快適さに感動する毎日だという。
「診療所が併設されていて雨の日でも濡れずに行けますし、看護師やケアマネジャーも常駐しているので安心感があります。七夕には大きな笹の葉や竹が飾られ、お盆には送り火を焚くなど、行事やイベントが充実しているのもうれしいですね。ここは一般的な分譲マンションと同様に相続が可能なので、娘に『いずれはここで暮らしたら?』と勧めているくらい、いまの生活が気に入っています」
リフォームして快適に、思い出のあるものは大切に
入居にあたって傷んだ部分は使いやすくリフォーム。もともと和洋二間だったが、すべてフローリングにし、元和室はベッドルームに。間仕切りの障子はあるが、床面はフラットなので、段差につまずく心配はなし。
「廊下とキッチンを仕切るのれんは、着物の帯をリメイクしたものです」。万が一の事故を防ぐために室内はオール電化で、キッチンには電熱調理器を設置。
●使い慣れた収納家具を“収納”
室内は作り付け収納が充実していたが、「使い慣れた引き出しを丸ごと収めて、より機能的にしました」。
●母から受け継いだたんすと着物を大切に
寝室には母親から受け継いだたんすといただき物の民芸たんすが並ぶ。
「母が遺した着物や帯、自分の着物を収納しています。着物と帯の組み合わせを考えるのが幸せな時間です」。
●60年愛用の机で繕い物
ライティングビューローは、真藤さんが中学に入学したときの贈り物。ここで衣類の穴あきや擦り切れた箇所をおしゃれに修繕する『ダーニング』を楽しむ。
●建物内の食堂はテイクアウトOK
食事は自炊に加え、建物内の食堂を利用。「テイクアウトして温め直し、器にきれいに盛り付けてから食べています。料理は薄味なので、自分なりにアレンジを加えることが多いです」。
●トイレとお風呂はバリアフリー化
トイレは最新の高機能のものにチェンジ。
お風呂は深い古めの浴槽を浅いタイプにリフォームした。「どちらも緊急呼び出しボタンが設置されていて、すぐにフロントに連絡できるようになっているので、緊急時も安心です」。
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撮影/玉井幹郎
※女性セブン2020年10月22日号
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