炊飯器か? 弁当箱か? 超高速弁当箱炊飯器が爆売れの理由
炊きたてのご飯を食べたいけれど、炊飯時間が長いと待っていられない…。そんな悩みを解決してくれるのが、たった14分でご飯が炊ける『おひとりさま用超高速弁当箱炊飯器』。
米と水を入れてスイッチをオンにするだけで、ご飯が炊きあがる弁当箱サイズの炊飯器の開発物語。
超高速弁当箱炊飯器の開発秘話
『おひとりさま用超高速弁当箱炊飯器』のアイディアのもとになったのは、サンコーが2017年9月に発売した『お一人様用ハンディ炊飯器』だった。
オフィスなどの外出先でご飯を炊くことができ、温かいみそ汁やスープの調理も可能という商品だったが、持ち運んで使う人より、自宅で1人分の米を炊く際に使っている人が多いことがわかった。
そこで、1人分のご飯を炊くことに特化した商品を作れないかと考えた。何より重要視したのが「早く炊ける」ということ。
0.5合14分「早く炊ける」を重要視
通常、炊飯器に米をセットしてから炊きあがるまでには1時間弱はかかる。仕事や学校から帰ってきたクタクタの状態で、ご飯が炊きあがるのを長時間待っていられないので、ほとんどの人はレンジでチンするだけのパックご飯や冷凍ご飯を解凍して食べることになる。もちろん、それも便利ではあるが、炊きたてのご飯に勝るものはないだろう。
『おひとりさま用超高速弁当箱炊飯器』は0.5合なら約14分、1合なら約19分という驚異的なスピードでご飯を炊きあげることができる。
これは、長方形の本体の底全面にヒーターを搭載し、熱が効率よく全体に行き渡るようにしたからだ。芯が残らずおいしく炊きあげるためにはヒーターの温度と炊飯時間の調整が必要だったが、商品の開発は中国のメーカーとタッグを組んで進められたため、日本の米を現地に送って何度も試作を行った。
炊飯器なのに弁当箱…手軽さで2万台超のヒット
およそ2年の開発期間を経て2019年12月に発売を開始すると、2日間で初回入荷分は完売。口コミをはじめさまざまなメディアで取り上げられ、現在は予約商品となるほどの大ヒットとなった。現在の売り上げは2万台に達するまでになり、社内で一番ともいえるヒット商品だ。
早く炊けるということのみならず、炊飯器が弁当箱形になっているので、茶碗などに移し替えずに、そのまま食事ができる手軽さもヒットの要因だろう。本体は防水になっているため、食べ終わった後は丸洗いができ、お手入れも簡単だ。ひとり暮らしの人が自宅で使うのはもちろん、オフィスに米とともに置いて使ったり車中泊での食事に使ったりとさまざまな場で活躍している。
サイズは幅240mm×奥行き100mm×高さ80mmと小型なので、炊飯器を置くスペースのないひとり暮らし用の物件でも重宝するだろう。この時期、新生活を迎える人へのプレゼントとし、またひとり暮らしの高齢の親にもおすすめの商品だ。
【DATA】
おひとりさま用超高速弁当箱炊飯器/最大炊飯容量は1合。保温機能、空焚き防止機能付き。幅240×奥行き100×高さ80mm。
※女性セブン2020年4月20日号
https://josei7.com/
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