《見守り家電・最新事情》「離れて暮らす親の様子が心配…」アイテムの種類や活用法をチェック【家電の達人解説】
実家に帰省して久しぶりに顔を合わせた親の様子に不安を覚えた人もいるのではないだろうか。離れて暮らす親を見守りたいが、毎日連絡を取るのも大変――そんなときに頼りになるのが「見守りアイテム」だ。どんな方法があるのか、最新トレンドや選び方のポイントを家電ライターの田中真紀子さんに教えてもらった。
教えてくれた人
田中真紀子さん / 家電ライター
家電ライター/家電を生活者目線で分析し、雑誌やウェブで紹介する家電のスペシャリスト。特に白物家電・美容家電に詳しい。自宅には最新家電を中心に200以上を所有し、年間300以上の記事執筆・監修に携わる。テレビ・ラジオにも多数出演。公式HP https://makiko-beautifullife.com/
見守りアイテムは多様化している
働きながら離れて暮らす親のケアをする人が増え、親の暮らしを「見守る」アイテムの需要が増えている。
カメラが付いた見守り機器、ディスプレイを通じて会話ができるもの、カメラはなくセンサーで検知するもの、家電そのものに見守り機能を付加したものなど、多彩な選択肢がある。近年は、家電メーカーのほか、警備・セキュリティ企業、通信事業者なども参入し、さまざまな見守り機器やサービスが登場。代表的なものを確認していこう。
見守りカメラ
見守りカメラは、インターネットに接続し、離れた場所から親の暮らしを確認できるもの。親が過ごすリビングなどにカメラ本体を設置し、見守る側の子供はスマートフォンやパソコンを使って、親の様子を見守ることができる。
「見守りカメラは暮らしの様子を映像で確認でき、会話もできるので安心感があります。一方で、親からすると24時間監視されているように感じ、嫌がる人も。商品によっては、カメラのレンズをオフにするなどプライバシー保護機能があるタイプもあります」(田中さん・以下同)
動作検知タイプ(センサー式)
カメラに抵抗がある場合は、人の動きを検知する、または一定時間人の動きを検知しない場合に通知するセンサー式のアイテムも。小型の見守りセンサーのほか、センサーを内蔵した電球などもあり、必ず行くトイレに設置するなどの方法がある。
「センサー式は、姿は見えなくても活動していることがわかるので安心です。長時間活動がない場合には、電話をして様子を確認するという使い方になります。
カメラがないので抵抗感は減りますが、一方で『トイレに行く頻度がわかるのが嫌』『家を不在にしていると心配で電話が頻繁にかってくる』など、家族間の思いのすれ違いも。親御さんの心情やライフスタイルに合うかどうか、よく検討してから選んで欲しいと思います」
親が日常使いするものを「見守り」に
このほか、転倒時など異常時にボタンを押すと通知されるスマートウォッチやGPS端末など、身に着けるタイプの見守りアイテムもある。
また、よく使う家電で見守りをする方法も。2001年に見守り家電の先駆けとして象印マホービンが通信機器を搭載した電気ポット『みまもりほっとライン』を発売。
「お湯を沸かしたり給湯したりすると、その利用状況が離れて暮らす家族にメールで通知されます。インターネットやWi-Fi環境がなくても、ポットの電源を入れるだけでサービスが利用できるため、導入のハードルが低く、ロングセラーになっています」
IoT家電を使った有料サービスで見守る
近年はネット環境や家電も進化し、「IoT家電」を活用した見守り方法もあるという。IoT家電とは、インターネットにつなげて利用する家電製品のこと。
「たとえばエアコンの場合、スマートフォンで遠隔的にオン・オフできます。また、エアコン本体の機能として、部屋の温度をモニターして一定以上の室温になれば自動で冷房をオンにできる機種もあります。
こうした家電のセンサー機能は、メーカー独自の無料アプリを使うことが多く、主に利用者自身が使うものですが、アプリは複数人で使えるため、離れて住む子供も利用することができます。子供側が親の部屋の室温や使用状況を確認し、電話をかけて使用を促すことも。状況に応じて子供側が遠隔操作をすることも可能ではありますが、親が使うエアコンを勝手に遠隔操作することはトラブルの原因にもなるため、あまり推奨されていません。
一方で、三菱電機が展開しているIoT家電を活用した有料の見守りサービスは、通知などを行い積極的に状況を知らせてくれます」
「毎日使っているか確認できれば十分」という場合は標準の無料アプリを使い、「熱中症が心配」「生活リズムの変化から起こる体調不良に早めに気づきたい」という場合には、有料サービスを使うといいだろう。
見守りアイテムを活用する前の注意ポイント
便利な見守りアイテムだが、高齢の親が操作できるのか不安になる人もいるかもしれない。
「見守る側の子供が初期設定をして、アプリを操作するので、親御さんには操作の負担はないものがほとんどです。
ただし、スマートウォッチなどのウェアラブル端末は、装着・携帯する必要があり、充電も必須になるので、そうした管理ができるかも導入のポイントになります」
またランニングコストがかかるものもあるので確認しておきたい。
「本体価格のほかに、サービス利用料が必要なものも多いので、月額利用料などの出費も検討して選ぶ必要があります」
自治体によっては見守り機器サービスの月額利用料の一部などを補助しているところも。例えば、東京都世田谷区では、ひとり暮らしの高齢者に対し、月額利用料を1人当たり最大1000円補助している。
注目の見守りアイテムをチェック
上記をふまえ、高齢の親が導入しやすく、設定などの負担が少ない注目の見守りサービスを田中さんにセレクトしてもらった。
