最旬《集音器》オープンイヤー型の市場が活況 選び方や使い方、最新モデルを家電の達人が解説
WHOによると2050年までに「4人に1人がなんらかの聴覚の低下を抱えて生活する」とされ、高齢になるにつれ「聞こえにくさ」への対策やアイテムが必要になる。そんな中、今活況なのが「集音器」だ。新製品が続々登場し、機能も進化しているという。選び方や活用方法、おすすめ製品などを家電ライターの田中真紀子さんに教えてもらった。
教えてくれた人
田中真紀子さん / 家電ライター
家電ライター/家電を生活者目線で分析し、雑誌やウェブで紹介する家電のスペシャリスト。特に白物家電・美容家電に詳しい。自宅には最新家電を中心に200以上を所有し、年間300以上の記事執筆・監修に携わる。テレビ・ラジオにも多数出演。公式HP https://makiko-beautifullife.com/
「集音器」に注目が集まる理由
「テレビの音が聞き取りにくくなってきた」「会話の中で聞き返すことが増えてきた」――加齢により「聞こえ」の悩みは増えてくる。
「聞こえの悩みに手軽に対策したいという人たちに支持され、集音器の市場が活況です。昨年あたりから耳をふさがない『オープンイヤー型』(詳細は後述)が登場したことも市場拡大の要因と考えられます」(田中さん・以下同)
集音器とは、本体のマイクが周囲の音を拾い集め、それを大きくして耳に届ける音響機器。イヤホンやスピーカーなどと同様の「オーディオ家電」に含まれる。
「一方で、補聴器は『管理医療機器』。医師の診察や専門家によるフィッティングやアフターケアが必須となり、購入後も本人の聴力や生活スタイルに合わせて聞こえやすさを調整していくものです」
価格で考えると、集音器は補聴器よりもリーズナブルだが、補聴器は自治体からの助成金が支給されるケースも。
「自分の耳の形や聴力に合わせて本格的に対策をするなら補聴器が安心ですが、以前に比べて集音器の技術や精度も向上しているため、最初の1台として選ぶ人も増えています」
集音器市場を牽引する「オープンイヤー型」
「かつての集音器は、電話のように耳に当てて使うタイプが主流で、今すぐ聞きたいときに使えないなどの課題がありました。その後、有線のイヤホン型、さらにワイヤレスイヤホン型が増えていきましたが、耳が蒸れる、自分の声が篭るなど、日常的に耳を塞ぐことへの抵抗感があるという声も多くありました。
潮流が大きく変わったのは、昨年頃からだという。
「2025年からクラウドファンディングなどを活用して開発されたオープンイヤー型の集音器が次々と登場し、価格も3~4万円台と手頃なものが多く、一気に注目されるようになりました。
オープンイヤー型は、耳を塞がずに自然に声が聞こえることが大きな特徴。加えて、周囲の雑音を抑えて人の声が含まれる帯域を調整したり、AIを活用して自然な聞こえを目指したりと、聞こえのクオリティを追求した進化版が増えています」
見た目がワイヤレスイヤホンに近く、装着していても違和感がないこと、実際に音楽が聴けるものが多いことも人気の理由だという。
これまで補聴器よりも安いからという理由で「集音器を買ったが結局使わなくなった」という声も多かったが、集音器の機能やデザインが進化し、あえて集音器を選ぶというニーズが増えてきたといえるだろう。
集音器の選び方
自分に合う集音器はどう選べばよいのだろうか。田中さんは「使用シーンを想定し、それに合うデザインや機能を選びましょう」とアドバイスする。
使い方によってタイプを選ぼう
トレンドは「オープンイヤー型」だが、有線イヤホンタイプも根強い人気だという。
「使用頻度が低いかたや、自宅で必要な時だけ使うなら、耳に当てるタイプや有線イヤホンタイプが安価ですし、機能的にも十分。
集音器には、スマートフォンに専用アプリをダウンロードし、スマートフォンで事前設定して使うものが多いのですが、有線イヤホンタイプなら、基本的にその必要がありません。機械操作が苦手な人でもすぐに使えるのは大きなメリットです」
外出先での使用を想定するなら、オープンイヤー型のワイヤレスイヤホンタイプがおすすめだという。
「耳にかけておき、音楽を聴いたり、聞こえのサポートに使ったりできます。ただし耳かけタイプの場合は、耳にしっかりかかるかは事前にチェックを。耳の形に合わず、違和感が出たり、ストレスになったりする場合もあります」
充電が苦手な人は「電源方式」を
電源方式も、選択基準のひとつだ。
「高機能なものは充電式が多いですが、この点も『充電の習慣がない』『充電を忘れて使わなくなる』可能性があるなら、電池式を選ぶと安心です」
スマホ連携など操作ができるか?
スマホ連携の要否も確認しておきたい。
「高機能タイプはスマホとの連携が必須になる場合もありますので、その操作が可能かどうかもチェックしましょう。ただし最初の設定だけスマホで行えば、あとは本体の物理ボタンで操作できるものもあるので、最初の設定だけ得意な人がやってあげる、という方法も」
注目の集音器をチェック
以上を踏まえ、田中さんにおすすめの集音器を3点選んでもらった。
