「勧誘にはご用心!?」NO老いるLIFE~母と娘のほんわか口福日誌~第78話
慢性膵炎を抱える母と山口県で暮らす漫画家のうえだのぶさん。母は半年に一度の精密検査を終え「このまま元気でいて欲しい…」とちょっぴり感傷的になったのも束の間――。母の行動に「ちょっと~!」と怒り沸騰の娘。いったい何があったのか!?
新聞の契約を巡り…
はいはいはいはい久しぶりにやらかしてくれましたよ! のぶママが~~! 前回ちょっとしんみりしましたが、全部吹っ飛びましたよ~~~!!
先日出先から帰ってきたら、テーブルの上に黒々した太字の手描きメモが添えられた小冊子らしきものが置いてあるんです。何だろうと思ってメモを確認したら、
『〇〇様(母の名前)〇〇新聞 8月1日から10月1日まで 3か月で必ず止める』って書いてある!
え!? え!? 何!? 何!? 何これ~~!?
母に聞いたら「いや~、あんたに怒られるかなあと思ったんだけどぉ~」と悪びれない様子。
「なんかねえ、こんど洗剤とか持ってくるって言いよっちゃっ…」
この時点で電話をつかむ私。メモに番号が書いてある販売店にTEL。
販売店(女性の声)「はい〇〇新聞**支店××です」
私「すみません、先ほどウチの“高齢の”母が勝手に購読の約束をしたみたいで、メモがあるんですが、うち今、ほかの新聞とってますし、支払いは私がしてますし、母は”高齢で“お金も持ってないですから購読は無理なんですけど、これってまだ取り消せますか?」
販売店「は、はっ、はい! えーと、メモの他に何かお母様にお渡していますか?」
私(小冊子を確認)「なんかカタログギフトって書いてあります」
販売店「わかりました、今から全て回収に行きますので~!」
私「家から近いんで持っていきますよ?」
販売店「いえ大丈夫です、すぐ取りに行きます!」
――10分後。スクーターに乗ったおじちゃんがやってきたので、「お手数おかけしました」と言ってお返ししました。
はあああ……契約書にサインとかする前で良かったああああ~。
母の言い分
さて、次は母への聞き取りです。
正直「なぜ母が?」と言う疑問で頭の中はいっぱい。だって我が家では常日頃から「ドアを開ける前に名前を聞くこと」「勧誘はドアを開けずに断ること」「宅配便や郵便物はドアチェーンを外さずに対応すること」を徹底しておるんですよ。
なぜ今回だけ突然こんなベタな展開になったのか????? ここからがビックリです。
「新聞を勝手に契約したら絶対私に怒られるのになんで?」と母に聞いてみると、「わからない」って言うんですよ!
わからない!?
わからないって何?
母「気がついたら話が終わってて、また今度来ますって言われたんよ」
私「何それ?どんな風に話が進んだん?」
母「それが覚えてないんよ…」
さっきまでケロッとしてたのに、やりとりが思い出せないことに気づき焦り始める母。
母「え?どうしよう、全然思い出せない…怖い」
いやいや、私も怖いよ。
私「そもそも、なんでドア開けたのよ?」
母「それがね、最初“△△新聞”て言われたから、ああ、知ってるって思って…」
え、もしかしてそこ!?
この△△新聞と言うのは私が仕事で時々お世話になっている地元新聞社で、知り合いもいたりするので母も身近に感じています。で、最初に△△新聞さんの名前が出て(系列とか?)それで警戒心なく「はいはい」とドアを開けてしまったようなんです。
そうか~~~。私、学びました。
「オレオレ詐欺」とかテレビのニュースで「息子を名乗る人物に騙され」みたいなのを聞くたびに、「なんで騙されるんじゃろうねー」「途中でおかしいって気がつかんのかねえー」と言っていた母ですが(今回は詐欺じゃないですが)、こういうことなんだと思いました。
「人は最初に思い込んでしまったら、途中で“おかしい”とは気づかない」
気づかないどころか「覚えてない」ってことが判明しましたよ。きっと、あれよあれよという間に話が進んで、記憶に残らないんでしょうね。
「だってあんたが仕事でお世話になってると思ったし」と、母は言いました。
それで「ただの知り合い」よりも好意的に話を聞いちゃったんでしょうね。
オレオレ詐欺も「息子(娘)が大変」って思い込んだら、後の話なんて全く記憶に残らないまま知らない人にお金を渡してしまうんだなと思います。いや、思いました。
いやいやいや、本当にビックリでした。
母も自分が何をやらかしたかは理解できたようです(私の怒りがもの凄かったのでしばらく勧誘には怯えると思います)。それでも世間ではあの手この手の勧誘が次々に現れるので、常に警戒しておかないとなあと思います。
ひとつ後悔があるとしたら、その時のメモを撮影しておかなかったこと。全部まとめて先方に返しちゃったんですよね。ほかにも何が書いてあったのか、手元に何も残さなかったのは無念です(ネタにも使えたのに…)
今夜の一品は香味野菜たっぷりの冷奴。ミョウガをいっぱい入れて怒りの気持ちを忘れましょう。
NO老いるMemo「ミョウガでさっぱり・香味やっこ」
昔「ミョウガを食べ過ぎると物忘れする」ようなことを聞いたことがあるのですが、科学的な根拠はないそうです。むしろミョウガの香りには「αピネン」という成分が含まれていて、食欲増進や血行促進、さらには眠気を覚ます作用もあるとされています(真逆ですね)。
暑い日にはこのミョウガに、母の菜園で穫れる青じその葉とオクラを刻んで混ぜたものを冷たい豆腐の上にどっさり乗せて「香味やっこ」にして食べます。うちはお醤油じゃなくて「めんつゆ」をかけます。かつおの旨みなどがプラスされるし、しょうゆと比べて減塩にもなります。
お豆腐は手軽に食べられるたんぱく源ですが、夏場は特に重宝しますね。
ちなみにおさらいですが、お豆腐は「NOオイル」ではありません(木綿豆腐100gで脂質4.5g)。3個パックのお豆腐が大体1個150gなので脂質は6.8gくらいになります。
かなり前にこの話を書いたら結構驚かれて、ちょいちょい栄養イベントなどでネタにしています。食べ過ぎにはご注意を~。
→「豆腐はヘルシーだからNOオイル?」NO老いるLIFE~母と娘のほんわか口福日誌~ 第10回
絵と文
漫画家・うえだのぶ
イラストレーター・漫画家。59才。山口県で83才の母とふたり暮らし。40代で地元の短大に入学し、栄養士の資格を取得。地元山口県を拠点に、漫画を利用した食育や時短調理などの栄養講座の講師なども務めている。
アメブロ:https://ameblo.jp/abareinupoti/ インスタ: https://www.instagram.com/nobuueda/?hl=ja
『読者体験!リアル迷惑人間大集合1 』Kindle版が発売中。
