猫が母になつきません 第473話「ゆっくり」
いつもスーパーで買っていたコーヒーの値段が以前の倍を越えました。どこのお店にもある、すでに挽いてある袋入りの。コーヒーは朝昼晩と1日3度は淹れます。どうしたものか…いや、どうしたものかっていうか、すごーく美味しいわけでもないけどお手頃な値段だから買っていたわけで、淹れるだけ淹れてあまり飲まずに結局捨てていることも多いなというようなことも気になり始め、このくらいの値段だったらもっと美味しいコーヒーを飲めるのでは…「そうだ、コーヒーを変えよう!」。
ネットでいろいろ探して、とある自家焙煎のコーヒー専門店の豆を買うことにしました。何度か行ったことのある珈琲屋さんでなので味は知っています。1キロまとめて買うと値段もお手頃、100gあたりで計算すると今まで買っていたもの(値上げ後)より数十円高いだけでした。コーヒーミルは持っていたので、挽かずにあえて豆のままで買いました。 つやつやのコーヒー豆をカラカラとコーヒーミルに入れ、ガリガリと挽く。いい香りがしてそれだけでもう美味しい気分がふくらみます。豆の量を微妙に調節してみたりして、じっくり味わうようにもなりました。いい豆、ひと手間、みたいなことが自分に暗示をかけているのかもしれませんがやっぱり美味しい。コーヒーを淹れる時間がすこしゆっくりになりました。 余談ですが、コーヒー豆のカラカラという音、子猫たちが食べるカリカリの音と似ているので最初はその音に駆け寄ってきたのですが、すぐにその違いを聞き分けるようになりコーヒー豆のカラカラを聞いてもなんの反応もしなくなりました。子猫たちの耳の良さにも感心しきりです。
作者プロフィール
nurarin(ぬらりん)/東京でデザイナーとして働いたのち、母と暮らすため地元に帰る。ゴミ屋敷を片付け、野良の母猫に託された猫二匹(わび♀、さび♀)も一緒に暮らしていたが、帰って12年目に母が亡くなる。猫も今はさびだけ。実家を売却後60年近く前に建てられた海が見える平屋に引越し、草ボーボーの庭を楽園に変えようと奮闘中(←賃貸なので制限あり)。
※現在、1話~99話は「介護のなかま」にご登録いただいた方のみご覧になれます。「介護のなかま」のご登録(無料)について詳しくは以下をご参照ください。
https://kaigo-postseven.com/156011
