介護従事者のベースアップ状況は? 10月に調査実施へ 厚労省
厚生労働省の社会保障審議会介護給付費分科会は、今年度の「介護従事者処遇状況等調査」を実施する方針を承認した。この調査は10月に実施され、来年3月には結果が公表される予定。調査の主な目的は、介護従事者のベースアップ状況を明確にし、賃金改善に向けたデータを収集することにある。
調査対象と内容の詳細
今回の調査は、全国の特別養護老人ホームや老人保健施設、デイサービス、訪問介護を含む10種類の介護サービスを対象としている。介護業界では、賃金の低さや処遇の悪化が長年の課題となっているが、6月下旬に行われた介護事業経営調査委員会で概ね調査の方向性は固まっており、具体的には、介護従事者の賃金のベースアップや勤務形態、福利厚生の実態調査を行うことになりそうだ。 調査の結果は、業界全体の賃金水準を向上させるための重要な指標となり、具体的な政策策定に反映されることが期待されている。また、賃金改善に加えて、職員の働きやすさや定着率向上のための施策も検討される予定だ。
2024年度以降のベースアップへの期待
2024年度以降の介護従事者のベースアップは、今回の調査結果次第でさらに強化される見込みだ。厚労省は調査結果を基に、介護業界全体の賃金引き上げに向けた施策を打ち出す予定で、特に賃金格差の是正に重点が置かれる。現状では、全産業平均に比べて介護従事者の賃金はまだ低いが、今回の調査によって業界の構造的な課題がより明確にされ、実効性のある政策が進められることが期待されている。
構成・文/介護ポストセブン編集部