つらい冷えに!3つの「首」から全身ポカポカ、お手軽アイテム9選【医師監修】
厳しい寒さが続く季節。コロナ禍の運動不足もあって、暖房をつけているのに手や足が冷たい。そんなときは「首」「手首」「足首」の三首を温めると効率よく全身を温めることができる。三首を温めるメリットのほか、監修医師も実際に使って便利だった、温めに便利なアイテム、使い方のポイントなどを紹介する。
三首を効率的に温めれば、全身が温かく
寒い季節の温めのコツを教えてくれたのは、内科医・イシハラクリニック副院長の石原新菜さん。
「三首とは、首、手首、足首のこと。体のほかの部分と比較して筋肉や脂肪が少なく、太い血管が体の表面近くにあるため、熱が逃げやすい場所。ここで冷えた血液が体を巡ると、それ以外の場所も冷えてしまいます。逆に、三首を温めれば温かい血流が手先や足先にまで行き渡るので全身が温まるのです」(石原新菜さん・以下同)
市販品にも三首を温める便利な製品がたくさんある。効率よく全身を温めて暖房の設定温度を下げれば環境にも優しい。
注意点として、自らつけ外しのできない人には向かない製品もあり、使用説明書に従って使う必要がある。介護されている人も、工夫して三首を温めればポカポカになりおすすめだ。
「介護を受けている人は運動不足になりやすく、筋肉量が落ちやすいもの。血液を全身に運ぶ力が弱くなるので血行が悪くなり体が冷えがちです。また、毎日入浴するのは難しく冷えにつながっている人も多いでしょう。カイロなどは入れず、温かい素材で三首を覆うだけでも違いますので、工夫して取り入れてみてください」
冷えの解消こそ健康への道!
「冷えは万病の元」ともいわれる通り、冷える=血行が悪くなることで、膝や腰の痛み・肩こり、消化器や脳など全身のコンディションに影響することがある。体温が下がると免疫力が低下する、というのもよく聞く話だ。
「体温は全身均一ではなく、脇の下では36度あっても、冷え性の方だと足の指先は28度くらいしかないという方も。しかし、足首を温めることで足先の体温は4度〜5度上げることができます。体が冷えると寝つきも悪くなりがち。お風呂に入れなくても、一度体を温めてから床に入ると睡眠の質が上がり、体をしっかり回復させることにつながります」
つらい冷えに。便利な三首温めアイテム9選
監修医師も実際に使って便利だった、三首を温めるアイテムを紹介。洗って繰り返し利用できるものや、手間がなく衛生的な使い捨てのものなど、種類は豊富。温度や使用感も違うので、好みのもの・使いやすいものを探してみるといいだろう。
首を温めるアイテム
首を温めると肩こりもほぐれやすいせいか、首に使うアイテムは多く出ていて人気のよう。使いやすいものを紹介。
【アイテム1] ほんのりとした温かさを長時間キープ
首や肩など気になる部分に直接貼れるシート。心地よい蒸気の温熱が、患部を奥まで温めて血行を促進。約40度の温かさが5〜8時間続きます。トイレなどでは落とさないように注意を。
「首を穏やかに温めて、コリを溜めないことも大切ですね」
https://www.kao.com/jp/products/megrhythm/4901301236876/
【アイテム2】目と首元を同時に温め
首(後頭部)だけでなく目元も同時に温めてくれるアイテム。レンジでチンして巻くだけで、頭全体がじんわりと温まり、ヘッドスパやマッサージに行ったような気分に。繰り返し使えてエコになりコスパもよい。
「パソコン作業などで疲れる人は、目元がほぐれると心地いいですね」
https://www.kenyuu.co.jp/products/hmk-48/
【アイテム3】やわらかいジェルで心地よい温もり
レンジでチンすると温かさが40分〜50分持続。エコでコスパのいい繰り返し使えるタイプ。つけたい場所に結べるので、腰や膝に使ってもよい。
「スマホをよく見る人などは、首と肩を緩めると心地よいと思います」
https://www.kenyuu.co.jp/products/kh-24/
手首を温めるアイテム
家事や仕事を妨げずに指先の冷えを改善。手首からポカポカするアイテムを試したい。
【アイテム4】手首にフィットして邪魔になりにくい
専用カイロを入れられるリストバンド型。手首の太さに合わせて調節し固定できるので、自宅ではもちろん寒い屋外への外出時にも。軽くて家事などの邪魔にならないのもうれしいポイント。
「リストバンドをするだけでも温める効果があるので、これは便利に使えそう」
https://www.kobayashi.co.jp/seihin/km_t/
足首を温めるアイテム
靴や靴下の中で足先だけが冷たいとき、歩くのに邪魔にならない温めアイテムが活躍する。
【アイテム5】足先が冷える人も快適に
足先の冷えはつらいもの。タイツのように着脱が面倒なものではなく、簡単につけられる点が便利。足首の太さに合わせて調節でき、ずり落ちにくい。
「靴下で足首を覆うだけでも温め効果がありますが、さらに保温すれば全身が温まりやすくなります」
https://www.kobayashi.co.jp/seihin/km_a/
【アイテム6】履くだけで膝下全体がポカポカ
二重編み構造で、生地の間の空気層が、冷気をカット。魔法瓶のように温かさをキープしてふくらはぎから足首まで保温。ゆったりして締め付け感がなく、靴下やスウェットの上から履いてもよい。
「カイロなどを使わずに温められるのがポイント。ふくらはぎのむくみが気になる人も」
https://www.kobayashi.co.jp/seihin/kak_leg_w/
【番外編】ほかにも… 温め効果の高い部位にこれを!
三首以外にも、大きな筋肉や太い血管、ツボなどが集まる部位を温めると心地よく過ごせる。じんわり温まる、話題の製品を紹介する。
【アイテム7】第2の心臓ふくらはぎや足の甲を温める
血液を運ぶポンプの役割を果たすふくらはぎや、太い血管が集まる足の甲に貼るのがおすすめの温熱シート。立ちっぱなしや座りっぱなしが続いたときなどに。
https://www.kao.com/jp/products/megrhythm/4901301376961/
【アイテム8】耳の中を温めてリラックス
周りの音を遮断して寝つきやすく、新感覚の気持ち良さ。耳の内側には副交感神経系のツボが集中している上、副交感神経が優位になると血流が改善しやすい。
https://www.kobayashi.co.jp/seihin/nm_mht/
【アイテム9】女性の冷え対策に。手軽によもぎ蒸し気分
下着に貼り付けて下腹部を温めるアイテム。肌に優しいオーガニックコットンを使用、ほのかな香りが心地よい。入浴介助のとき、洗い場での冷え対策に愛用している、という声もあるそう。
低温やけど、汗冷えに注意
「就寝前に体を温めることは大切ですが、寝ている間にアイテムを使い続けるのはNG。それほど熱くないと思っていても、体の重さが乗ることで熱さが増しますし、長時間使用し続けると気づかぬうちに低温やけどをする可能性もあります。熱を発しないレッグウォーマーや靴下も寝る前に外すと、汗をかいて結果的に体が冷えてしまうのを防げます」
また、体が温まると急速に眠気を感じ、寝てしまうことがあるので注意が必要だという。特に、介護対象者に使用するときは製品の使用説明書の通りに使い、眠ってしまったら介助者がすぐ取り外すなど工夫したい。
「肌に直接貼るものは、肌が弱い方の場合かゆみやかぶれの原因になることあるので、最初に使用するときは短時間にして、肌の状態を確認しましょう」
三首から体じゅうをポカポカにすれば、冷えやすい人も快適に。賢く温めて寒い冬を乗り越えたい。
※糖尿病など温感や血行に障害がある方、認知症の方には使用できない場合があります。使用前に製品の注意書きを確認して、かかりつけの医師や薬剤師に相談してください。
教えてくれた人
イシハラクリニック副院長・石原新菜さん/医師。漢方医学、自然療法、食事療法などにより、さまざまな病気や不調の治療にあたっている。著書に『冷えを治せば病気もよくなる』(Gakken)、『病気にならない蒸しショウガ健康法』(アスコム)など。
石原新菜Official Blog
http://nina-ishihara.cocolog-nifty.com/blog/
取材/文 神田祐佳(ナナネール!)