《1日5分のイススクワットで老化ストップ》名医が教える「すい臓を休ませる」新習慣 ネバネバ食材と炭水化物減で病気を遠ざける
食事、消化、吸収、排泄という人の基本的営みを担う「内臓」は年齢とともに機能が低下しやすく、がんの罹患リスクも高まっていく。だが、日々の生活習慣で各臓器の老化をくい止め、機能を改善することはできる。そこで、すい臓を守り、復活させる方法を医師に聞いた。
すい臓は酷使せず休ませることが必要
消化を助けるとともに、インスリンを生成して血糖値を調節する役割を持つすい臓。肝臓や腎臓以上に自覚症状が出にくい臓器だとされる。
東京医科大学病院消化器内科主任教授で日本膵臓学会指導医の糸井隆夫医師が言う。
「すい臓の機能が低下すると糖尿病のリスクが高まります。また糖尿病やすい臓の衰えによる慢性すい炎があると、すい臓がんリスクが10倍以上になるとの研究報告もあります」
すい臓は他の臓器に隠れているため異変が発見しづらく、がんが見つかった時にはすでに末期であるケースが多い。すい臓がんの5年生存率が約10~13%と他の部位のがんに比べて圧倒的に低く、「サイレントキラー」と呼ばれるのもそのためだ。
「すい臓の細胞は一度破壊されると基本的に再生・回復しません。いまある機能を維持し、老化を止めることが大切です」(糸井医師。以下「 」内同じ)
すい臓は酷使せず、「休ませる」ことが必要な臓器。そのためには低脂肪で良質なタンパク源となる豆腐などの大豆製品の摂取が推奨されるという。
「食後の血糖値の急上昇を抑えるために、糖の吸収をゆるやかにする食物繊維の摂取を心がけましょう。水溶性食物繊維が豊富な納豆やオクラなどの『ネバネバ食材』が効果的です」
糖質の多い炭水化物も食後高血糖を引き起こしやすいが、体に必要なエネルギー源になるので極端な糖質制限はNGだ。
「ご飯や麺類などは『大盛り』から『並盛り』に替えるイメージで、いままでの7割程度に減らすのが目安です」
さらにすい臓は活性酸素によるダメージを受けやすいという特徴もある。抗酸化作用のあるビタミンAやC、E、ポリフェノールなどを豊富に含む食べ物も重要だ。
「ビタミンCやβカロテンを豊富に含むブロッコリーがおすすめです。私もよく食べています」
「楽しいこと」を思い浮かべる
日常生活ではストレスを和らげることも大切なポイント。ストレスがかかって交感神経が優位になると、コルチゾールなどのストレスホルモンが分泌され、血糖値が上がる。それを下げるためにインスリンを分泌するすい臓が酷使されるからだ。
「38℃くらいのぬるめのお湯につかって副交感神経を優位にし、リラックスしながら『楽しいこと』を思い浮かべましょう。日光を浴びることも効果的です。幸せホルモンと呼ばれるセロトニンの分泌が促されて心身の緊張がほぐれ、精神が安定します。日光を浴びながら散歩すればいっそう効果的です」
加えて、筋トレを習慣づけることも大事だという。肥満はインスリンが効きにくくなるインスリン抵抗性を引き起こし、すい臓に大きな負担をかけてしまうが、筋肉量の減少でもインスリン抵抗性は起こるという。
「毎日5分でもいいので、筋肉量の多い下半身を鍛えるためのスクワットを実践しましょう。つらい人はイスを利用しながらでもかまいません」
イスの背もたれに手をかけ、両足を肩幅程度に開く。そこからゆっくりと腰を落とし、再び立ち上がる。1日5分程度で十分に効果が期待できるという。
イスを使ったスクワット(毎日5分目安)
【1】イスの背の前に立ち、上部に両手を置き両足を肩幅程度に開く
【2】ひざは深く曲げなくてよいのでゆっくりと腰を落としてから1に戻る
◆教えてくれた人:東京医科大学病院消化器内科主任教授・日本膵臓学会指導医・糸井隆夫医師
※週刊ポスト9月18日号
