猫が母になつきません 第445話「むねん」
風呂好きです。ついつい長風呂をしてしまう。でも一人暮らしだし、若くもないのでほどほどにしないとなと思う今日この頃。ちょっとうとうとしてしまうこともあるし、ヒートショックも心配。寒い時期にはお湯をためている間に電気ヒーターで脱衣場と浴室を温めるようにしています。入浴も浴室の戸は開けたままで温風を入れながら。音がうるさいのが難点ですが、電気ヒーターは冬の入浴の必須アイテムとなりました。
お風呂はガスで沸かすタイプで、給湯器が音声でお湯がたまったことを教えてくれます。最近はなんでも音声機能がついていて「うっかり」を防いでくれるので助かります。ただ、お風呂を溢れさせてしまううっかりは防いでくれても、栓がちゃんと閉まっているかまでは教えてくれません。お風呂に入れると思ったのにお湯がたまっていながったという絶望感と、水道代、ガス代を無駄にしてしまったという無念…。うっかり防止機能を超えるうっかり。人間のうっかりを機械が完璧に防止するなんてきっと無理です。
最近はあまり「便利」ということにこだわらないようにしています。のんびりしていい歳だし、面倒をみないといけないのは猫だけ。「性能」「効率」「成果」とか追求する必要はないのです。すべて便利にするよりも無駄に動いたりすることはむしろ必要かもしれません。うっかり防止機能は完全に私を救いきることはできないし、AI搭載のエアコンの快適が私の快適と一致しているとは限らない。搭載されている「機能」の全てを使いこなせている気はまったくしないし。
「猫のお寺の知恩さん」(*)という漫画に「あったら便利はなくても平気」というセリフがあったのですが、うなずきしかない。すでにある便利機能には助けられつつも、あまりそれをあてにしすぎず、信用しすぎず、「なくても平気」でいられるように暮らしたいなと思っています。
*『猫のお寺の知恩さん』オジロマコト(小学館)
作者プロフィール
nurarin(ぬらりん)/東京でデザイナーとして働いたのち、母と暮らすため地元に帰る。ゴミ屋敷を片付け、野良の母猫に託された猫二匹(わび♀、さび♀)も一緒に暮らしていたが、帰って12年目に母が亡くなる。猫も今はさびだけ。実家を売却後60年近く前に建てられた海が見える平屋に引越し、草ボーボーの庭を楽園に変えようと奮闘中(←賃貸なので制限あり)。
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