シニア世代をターゲットにした「袋麺」ヒットのヒミツとは
インスタントラーメンの登場から60年。年間56億食の売上を誇る即席麺誌上は毎年右肩上がりで成長中。しかし、袋麺だけが年々減少傾向…。
そこに現れた救世主!とは?
「お椀で食べる」という発想がシニアの食卓にマッチ
日清食品の創業者・安藤百福さんをモデルにした連続テレビ小説『まんぷく』(NHK)も好調の中、同社の『お椀で食べるシリーズ』が、現代のシニア層の食卓を変えている。
ヒットのヒミツは”お椀で食べる”という発想力。
同社の藤井威さんが熱く語る。
「袋麺はカップ麺に押されて、売上は年々減少傾向に。その袋麺を子供の頃から愛し、60年間支え続けたのは50~60代のシニア層。彼らに袋麺をもっと食べてほしい。
シニアのかたが、”自分の商品だ”と思えるものを届けたかった」
市内の食卓を調査すると多数のおかずを少量ずつ食べていることがわかった。
「”何かもう一品ない?”と夫に言われた時に、主婦のかたが罪悪感なく食卓に出せるよう”お椀で食べる”のはどうかと考えました。
量は通常の1/3にして、食べやすいように麺は細く短めに改良。お湯を注いで、ふたをせずに3分で完成します」
’17年に発売すると、袋麺市場は毎月前年プラスに成長した。
撮影/玉井幹郎
※女性セブン2019年2月14日号