シニアの就労支援|歴ドル”小日向えりさんが「働くから元気だった祖母」を見て起業
NHK Eテレ「高校講座日本史」にレギュラー出演し、『イケメン幕末史』などの著書もある小日向えりさん。横浜国立大学在学中から歴史好きなアイドル“歴ドル”として活躍している小日向さんにはもうひとつ、起業家としての顔がある。
歴史アイドルが仕掛けるシニアワーカー支援とは!?
小日向さんが代表を務めるのはその名も“ぴんぴんころり”。2017年7月に設立された株式会社ぴんぴんころりは、定額制の家事支援サービスなどを展開している。生き生きと楽しく働き続けたいと願うシニアワーカーに寄り添いながら生きがいを創出し、健康寿命を伸ばす役割を担うことが目的だ。
「シニアの就労支援をはじめたきっかけは、80歳近くまで働いていた祖母です。仕事を辞めた途端に元気がなくなり、その後ケガで入院してしまい、ショックを受けました。元気だから働いていたのではなく、働くから元気だったのだと気付いたのです」(小日向えりさん 以下「」は小日向さん)
働きたいシニアが、近所の“もうひとりのお母さん”という存在になるという仕事
そんな小日向さんが今年3月に始めたサービスが“東京かあさん”。“東京かあさん”は、近所に“もうひとりのお母さん”を持てるサービスだ。利用者は、家事や子守、人生相談など何を頼んでもOKとのこと。登録しているお母さんができる限り、希望に応えてくれる。「お料理が得意だけど整理収納は苦手」「整理収納が得意だけどお料理は苦手」など、お母さんによって得意分野が違うので、希望に合わせてマッチングしてくれるという。現在、60代、70代のお母さんたちが活躍中。働きたいお母さんも募集中とのこと。
→東京かあさん
「メイン事業として“東京かあさん”という母親目線のライフサポート定額サービスを展開しています。“東京にもうひとりのお母さんを”がコンセプトです。働きたいシニアと、子育てと仕事の両立に悩む女性。“東京かあさん”はそんな両者をマッチングさせることで、笑顔の連鎖を生みたいと考えています。既に家事代行サービスは多数ありますが、『お母さんとの交流を楽しみながら、生活をサポートしてもらう』『今度も増え続けるシニアを活用することで新たな雇用創出を行う』という点が他の家事代行サービスとの違いです。家事代行の業界は80代になっても活躍している方がいるということを知って、70代になっても無理なく続けられるお仕事であり、心身ともに健康になれて、シニアのお仕事としてピッタリだと思います」
シニアになって元気がなくなってしまうのは、会社に依存して働いてきた定年後の男性で、女性よりも問題だと小日向さんは考えている。
「今後は、“東京とうさん”という、DIYや電球の取り替えなど地域のおじいちゃんがスポットで助けにきてくれるサービスも展開したいです。シニアのITリテラシーが上がってきた段階で、好きで得意なことを登録してもらい、アプリでマッチングして、より得意が活かせる地域互助サービスになればいいなと構想を練っています」
シニアがメイドをする「めいど喫茶ぴんころ」
小日向さんは4月23~25日に「めいど喫茶ぴんころ」を鎌倉でオープン。シニアがメイドをするという斬新なこのイベントは大盛況で、メイドや執事に扮したシニアもノリノリで接客をしていたという。
「“めいど喫茶ぴんころ”は、地域創生の取り組み『カマコン』や生涯現役を目指す『セカンドライフかまくら』のご支援をいただきながら、シニアの方々に笑顔でイキイキと働く場所を提供するために実施しました。シニアは自分のスキルを再発見し、またお客様にはシニアの魅力を伝え、親しみを感じてもらえたと思います」
今までにない初めての試みだったため、メイドをしてくれるシニアが集まるのか、お客さんが来てくれるのかなど不安もあったという小日向さん。「若い女の子のメイド喫茶なら分かるけど、お金払っておばあちゃんと交流したいと思う人なんているの?」という辛口な意見もあったという。
「イベントの前には、もしかしたら、私が特別おじいちゃん、おばあちゃんが好きで、『かわいい、いろいろ教わりたい』と思っているだけで、世の中の人は違うかもしれないと思ったりもしました。不安でいっぱいでしたが、たくさんの方が来てくださり、楽しんで帰ってくださいました」
「めいどさん、執事さんもお客さんが楽しんでいる姿をみて、嬉しそうでした。最初は『フリフリのエプロンは着ない!』と抵抗を持っていた方も、いつの間にかエプロンを積極的につけてくれました。口数の少なかった執事さんも、ニコニコと表情が柔らかくなり、『おかえりなさいませ〜』とノリノリに。めいどさんたちは、3日間でイキイキと表情も変わっていき、数日で人はこんなに変わるんだなと感じました。最後の日には、めいどさんたちから『おかげで、自信がつきました』『楽しかった』『冥土の土産になりました』と嬉しいお声をいただき、目に涙をためている方もいらっしゃいました」
お客さんも、メイドになったシニアも笑顔になり、本当にやって良かったと語る小日向さん。シニアが生き生きと働ける環境を作ることは大きな社会課題でもある。彼女とぴんぴんころりが展開していく事業に今後も注目が集まりそうだ。
小日向えり(こひなた えり)プロフィール
生年月日:1988年1月17日
趣味:歴史(三国志、戦国、幕末)、史跡巡り(お城、古戦場、お墓巡り)、歴史グッズ収集、油絵、テニス、カメラ
特技:何でも歴史に例える、歴史上の人物のモノマネ、写真撮影(カメラ)、Web制作
資格:三国志検定1級(女性芸能人唯一の検定保持者)
江戸文化検定参級
中国語検定3級
日本城郭検定3級
メディカルタイチ(太極拳)3級
ブログ:https://ameblo.jp/erikohinata/
【データ】
株式会社ぴんぴんころり
代表者:小日向えり
事業内容:(1)高齢者支援(2)シニアのデータベース構築および運用(3)シニアの健康および生きがいの創造に関する事業
会社ホームページ:https://pinkoro.co.jp