「介護について気軽に話せる場を」第1回介護のなかまカフェ開催!遠距離介護の達人・工藤広伸さんも登壇し大盛況<イベントレポート>
現在2万人を超える登録者を有する介護ポストセブンの読者会員サービス「介護のなかま」。会員をお招きして「気軽に介護の話をできる場を提供したい」。そんな想いから始まった「介護のなかまカフェ」。記念すべき第1回は、人気連載・工藤広伸さんにもご講演いただき、会場は大盛況。当日の様子をレポートします!
第1回「介護のなかまカフェ」開催!23名の“なかま”が参加
快晴のイベント日和となった7月3日。当日は「介護のなかま」会員でイベント参加に応募していたただいたかたの中から選ばれた23名が参加。暑さが厳しい中、一人の欠席者もなく、元気に会場へ足を運んでくださった。
現在介護中のかた、介護経験があるかた、将来家族の介護が気になるかたなど、40〜70代の介護に関心をもつメンバーにお集まりいただいた。
会場テーブルには、グリーンのチェックのテーブルクロスが敷かれ、ほのぼのとした温かいカフェの演出も。会場では香り豊かな挽きたて豆のコーヒーなども振るまわれた。参加者それぞれの席には、豪華なお土産も用意され「何が入っているのかな?」と皆さん、早速笑顔に(お土産の中身は後述)。
遠距離でも介護はできる。大切なのは相手を思う気持ち
和やかな空気の中でイベントはスタート。工藤広伸さんによる「離れて暮らす家族の介護」セミナーが始まると、雰囲気が一変、皆さん真剣な面持ちで話を聞いていた。
2016年介護ポストセブン開設当初から連載を執筆いただいている工藤広伸さんは、岩手県盛岡市で暮らす認知症で要介護4の母(81才)を遠距離介護して13年目。その間、祖母や父の介護も経験している。
普段記事では明かされない工藤家の介護にかかわるメンバーや介護の歩みについて、スライドを用いて解説。
「介護を悲観的に捉えることなく、利用可能な介護サービスや家電などのアイテムを上手に活用しながら、妹と協力して介護を続けています。
とはいえ妹はあくまでもサポーターで、介護のキーパーソンは私なんです。ケアマネジャーの連絡も私に届きます。家族の中で役割分担を明確にしておくことも大切です」
続いて、工藤さんが母親を見守る中で実際に起こったリアルなエピソードを紹介。
「認知症の母は、気温の変化や季節を判断できなくなり、服装選びが難しくなるんです。なので、台風や熱中症、入浴時のヒートショック対策などが必要不可欠です」(工藤さん、以下同)。
工藤さんは、母が暮らす実家には見守りカメラを設置し、介護に役立てている。
「最近のカメラは表情や人の手元まではっきり映してくれますし、リアルタイム映像をスマホで確認できます。怪しい人が家にあがってきたり、万が一母が家で倒れてもすぐに発見できるので安心ですよ」
実家の温度管理もスマホ一つで完結。スマートホーム家電を活用し、東京から盛岡市の家にあるエアコンを操作。天候に合わせて温度や設定を細かく調節しているんだそう。
このほか、介護保険サービスの利用状況や遠距離での在宅介護でかかった費用を赤裸々に明かすシーンも。様々な手続きやお金の問題など悩みが尽きない介護。参加者は工藤さんの話に頷きながら、投影された資料を食い入るように見ていたのが印象的だった。
「まずは自分の生活を大切にすること。人生を犠牲にしてまで親の介護をしても誰も幸せになりません。住む場所が離れてもできることはたくさんあります。相手を思う気持ちがあれば介護は成立すると思います」
そんな工藤さんの力強い締めの言葉に、会場から温かく大きな拍手が送られた。
工藤さんへの質疑応答では、「カメラの設置は大変ではないか」「ホームヘルパーの活用事例」「介護のモチベーション維持」など、矢継ぎ早に質問が寄せられた。
「介護の予兆を見つけることはできますか?」という質問には、「認知症の進行を防ぐためにできることをなるべくしたい。できるだけ歩いてもらって足腰の衰えを防ぐとか、会話やコミュニケーションに大切な聴力の低下にも注意しておくといいかもしれませんね」と工藤さん。
参加者の気持ちが溢れたフリートークコーナー
イベント後半は、参加者同士で介護の悩みや体験を話し合うフリートークを実施。各テーブルに工藤さんも加わりアドバイスした。
市販のやわらか食を試食「食べやすい!お店と同じ味」
フリートークと合わせて、市販の介護食品の試食も行なわれた。
アサヒグループ食品の『スプーンで食べるおもち』『スプーンで食べるおもち よもぎ』にはきなこやあんこを添えて、吉野家の『やわらか牛丼の具』『うなぎの蒲焼き』(冷凍)は、それぞれおかゆに盛り付けたものが振る舞われた。
初めて介護用食品を食べる人も多く、さまざまな意見があがった。
「牛丼の具はまさに“吉野家”さんの味でした。ご飯にのせるだけで料理が1品完成するのは簡単でありがたいですね」(吉野家『やわらか牛丼の具』)
「うなぎは小骨も気にならないし、おいしい! 塩分量が調整されているのも嬉しい。誕生日など記念日にぴったりだと思いました」(吉野家『うなぎの蒲焼き』)
「高齢者にとっておもちは喉に詰まりやすく危険なものというイメージでしたが、これならお正月に安心して食べてもらえる」「予想以上に軟らかいので驚いた!飲み込む力が弱い人にとっては、ちょうど良いと感じました」(アサヒグループ食品『スプーンで食べるおもち』)
お土産も豪華!「紙パンツや洗剤の試供品も」
参加者たちは、お土産の中身も興味津々の様子。お土産は、当日試食したもの以外にも、とろみ剤や紙パンツやパッド、洗剤など豪華ラインナップ。イベント終了後には、参加者からのコメントも続々と届いた。
「スティックタイプだと持ち歩けるので便利」(アサヒグループ食品『バランス献立 とろみエール』)
「布ショーツと変わらない肌触り、気に入りました」(花王『リリーフ パンツタイプ まるで下着』)
「想像以上に薄くなっていて驚いた」「ゴムの部分がキツくなくストレスなく過ごせそう」「我が家で使っているものよりも薄くて使いやすそう」(花王『リリーフ パンツタイプ 上げ下げらくらくうす型パンツ』)
「母が尿漏れに悩んでいるので試してもらいます」(花王『リリーフ 紙パンツ用パッド ズレずにピタッと超安心』)
「介護のニオイに特化した洗剤があることを知らなかったので、これは早速使ってみたい!」「介護中の汚れたシーツを洗うのに試してみたかった」(花王『アタック 消臭ストロングジェル』)
お土産の中身はこちら!
アサヒグループ食品
『スプーンで食べるおもち』『スプーンで食べるおもち よもぎ』
https://www.asahi-gf.co.jp/special/senior/foods/items/spoon-omochi/omochi_shiromochi.html
『バランス献立 とろみエール』
https://www.asahi-gf.co.jp/special/senior/foods/items/toromiyell/toromi_stick.html
花王
『リリーフ パンツタイプ まるで下着 2回分 ホワイト』
https://www.kao.co.jp/relief/lineup/marushita
『リリーフ パンツタイプ 上げ下げらくらくうす型パンツ』
https://www.kao.co.jp/relief/lineup/pants-agesage
『リリーフ 紙パンツ用パッド ズレずにピタッと超安心』
https://www.kao.co.jp/relief/lineup/pad-chouanshin
『アタック 消臭ストロングジェル』
https://www.kao.co.jp/s-strong/attack
吉野家
『やわらか牛丼の具』
https://e-shop.yoshinoya.com/shop/g/g666556
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イベント終了後も名残惜しそうに、参加者同士で声を掛け合うシーンも見られた。「友人には打ち明けられないことも、素直に話すことができた」「時間が足りない、もっと多くの人と話したかった」という声もあり、「介護」という共通のテーマを通して、温かい交流が生まれていた。
盛況のうちに幕を閉じた第1回「介護のなかまカフェ」。ご応募、ご来場いただいた皆さまへ、改めて心より御礼申し上げます。次回もお楽しみに!
撮影/杉原 賢紀 取材・文/松藤浩一
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