「庭に異変…母の好奇心全開」NO老いるLIFE~母と娘のほんわか口福日誌~第82話
山口県で80代の母と2人暮らしをしている漫画家で栄養士の資格をもつうえだのぶさん。慢性膵炎を抱えながらも楽観的な母とちょっぴり心配性な娘のドタバタ日誌、今回はうえだ家の緑溢れる庭が舞台。ブンブンブン♪と飛んできて――。
庭にハチがいっぱい…
まだ暑い夏の終わりの昼下がり、勝手口から母が転がり込むように家に入ってきました。
「のぶちゃああああん! ハチがいっぱい飛びよるううううう~~~~!!」
庭の差掛け(物置)に鉢植え用の土を取りに行ったら、吊るしてある金だらいの裏からアシナガバチが一斉に出てきたと言うんです。
まじかー!?
おそるおそる見に行くと、本当に5~6匹のからがタライの周りを飛んでる! うわあ~~~これ絶対「巣」があるよ。毎日横を通るのに気づかなかった。
てか、お母さん刺されなくて良かったよー。そして逃げる時に転ばなくて良かったよー。今回のエッセイの書き出し、『突然ですが、母がハチに驚いて転倒し、骨折して入院しました』になるとこだったよ~~。
それは良かったけど、さてさて、どうやって駆除しますかねぇ…。
母「今から殺虫剤スプレーしてくる!!」(フンフン!!←鼻息)
私「いや、確かハチって朝の気温が低い時は寝ているって聞いたことがあるから、明日早く起きてスプレーしてみるわ」
――その前に。
私「お母さんは来なくていいからね。家から出ないでね。出るんじゃないよ。わかったね?」
母「・・・」
来る気満々じゃん。やめて絶対。
母の好奇心が全開…
さて翌日。朝5:30。様子を見に行くと予想通りハチは飛んでない。よし、決行だ。
長袖シャツにゴム引きの軍手、ジーンズにスニーカー、首にタオルを巻き帽子とメガネとマスクで顔をガードして、両手に殺虫剤スプレー缶を持った私の後ろに、同じように武装した母が…。
だ~か~ら~~~~~!! 来るんじゃない!! 家から出るな~~~~!!
本っ当に好奇心が強い。だからいつも前向きだし元気もあるんでしょうけど、こういう時はジャマでしかないです。
このまま母に構っていると外の気温が上がってきちゃうのでとりあえず無視して金だらいへ。スプレーを持った両手をグッと広げ、たらいの左右から内側に向けて殺虫剤を一気に噴射。1・2・3秒、よし一旦退避だ!!
ぐるっと振り返ったら母。ジャマ~~~!!どいて~~~!!!
その時です。たらいから2、3匹のハチが飛び出してきて「ヤバッ!!」と思った次の瞬間、ボトボトと音を立てて中からハチが落ちてきました。
ひいい~~!! いやああああ~~~~~!!!!
恐怖でその場からダッシュする私の目の端に見えたのは「へええ~~」という顔でたらいに近寄る母――腕を引っ掴んで引きずるように家の中に戻りました。
そわそわする母を叱りなだめながら夕方まで待って様子を見に行くと、もう飛んでいるハチはいなくて、地面には大量の死骸が…なんか、ごめん。
しんみりする私の横で「こんなにおったんやねー! ビックリやねー!」と、ヒャッホーな母が庭ボウキとちりとりで回収作業をし、たらいを外して巣を撤去しようとしたら…。
開けてビックリ。ハチの巣はたらいじゃなくてその奥にあったジョウロについていました(苦手な人は見ないでくださいね)。
アシナガバチ、時折家の周りを飛んでいて、でもそんなに大量に見たことないから警戒したことなくて。本当にいつの間に!? という出来事でした。
とりあえず差掛けの中の物を点検して、物陰ができないように配置を変えて、これからは定期的に点検をしようということになりました。
エッセイ的にはここで母の好きな「アイスはちみつレモンティー」を作って飲みたいんですが、ハチに祟られそうなので今回はやめておきます。
余談ですが、母が友達に電話で「私がハチにスプレーしたらねー」と自慢げに語っていました。やれやれ。
※ハチの巣の駆除は危険を伴うこともあるので業者や市区町村などに相談して対処してくださいね。
絵と文
漫画家・うえだのぶ
イラストレーター・漫画家。59才。山口県で83才の母とふたり暮らし。40代で地元の短大に入学し、栄養士の資格を取得。地元山口県を拠点に、漫画を利用した食育や時短調理などの栄養講座の講師なども務めている。
アメブロ:https://ameblo.jp/abareinupoti/ インスタ: https://www.instagram.com/nobuueda/?hl=ja
『読者体験!リアル迷惑人間大集合1 』Kindle版が発売中。
